夫婦共働きです。
節税になるのでiDeCoを始めてみてはと金融機関からアドバイスされました。
運用の知識もなく、始めるタイミングが分かりません。

藤沢市・Kさん(32歳)
藤沢市・Kさん(32歳)
秋山友美
秋山友美

老後資金の準備には適しますが
今は教育費を優先しましょう

個人型確定拠出年金 iDeCo(イデコ)は積み立てで掛金を拠出、自分で選んだ商品で運用し、60歳以降に年金または一時金として受け取る仕組みです。

確かにiDeCoは、掛金が全額所得控除されることで所得税・住民税が軽減される効果があるため、老後資金を準備するためには活用したい制度です。
しかし、デメリットとして60歳まで原則としてお金を引き出すことができません。
そのため、老後資金以外の貯蓄状況も踏まえて検討する必要があります。

Kさんの家計を拝見すると、年間128万円の貯蓄ができているはずですが、現在の預貯金が少々少なく感じます。
住宅の頭金等で利用したのかもしれませんね。

災害や病気など万一に備え、家族が生活できるお金として、いつでも使える流動性がある預貯金をもう少し増やしておきたいです。
生活費1年分としたいところですが、まずは半年分350万円程度は緊急予備資金として常にある状態を目指しましょう。

また、長女の学資保険には入っているそうですが、長男の大学資金の準備はまだだそうです。
老後資金よりもこちらが優先です。
緊急予備資金が貯まり、教育費の積み立てをスタートできてからiDeCoを始めればよいと思います。
今後の教育費増を念頭に、全体的に家計の見直しを行い、今よりも毎月約3万円貯蓄を増やすことを目標にしてください。

秋山 友美

ファイナンシャル・プランナー。
CFP(R)(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
「家計コーチ」代表。

藤沢市に開設した「湘南おかねの相談室」を拠点にFP相談・家計診断・パーソナルコーチなどを行い、ライフプラン・住宅取得・資産運用などの講師としても活動中。

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