鎌倉五山四位浄智寺の境内奥に「布袋様」がいらっしゃいます。
こちらの布袋様はどうして「弥勒様」なのでしょうか?
その答えを探しに出かけましょう。

(笑風亭かん治)

 

 

「寳所在近」とはどんな意味?

浄智寺の総門
浄智寺の総門

浄智寺の総門に「寳所在近(ほうしょざいきん)」の額があります。
これは経文の言葉で「立派なお坊さんになるために努力をしなさい」という意味
です。

でも私たち、凡人には「寳(宝)の在る所は近くですよ」と読めます。
この答えを「布袋様」が教えてくださるようです。

さっそく、宝物を探しにお参りしましょう。

 

過去・現在・未来を加護する仏様たち

本堂の曇華殿
本堂の曇華殿

浄智寺本堂の曇華殿(どんげでん)の三世仏坐像がご本尊です。
向かって左から阿弥陀・釈迦・弥勒様がお祀りされ、それぞれ過去・現在・未来
を加護する仏様です。
未来を担当する弥勒様が境内奥の布袋様と深い関係があるようです。

 

弥勒様の化身の布袋様

境内奥の布袋尊
境内奥の布袋尊

弥勒様はお釈迦様が亡くなってから56億7千万年後の未来に弥勒如来として現われ、私たち人間を救ってくれるというのです。
弥勒様は中国の唐の時代に契此(かいし)というお坊さんになって一度現れました。

こちらの布袋様は、この契此様を石像にしたものです。
右手の人差し指で私達の胸やお腹を指して「宝物」のありかを教えてくれます。

それは私達の心や腹の持ち用が大事だと教えてくださっているようです。

また、この方は風来坊でしたが人望がありました。
何故なら予言が見事に当たります。
それは「弥勒様」と同じ未来の国からやってきたからですね。

 

 

かん治さん

「鎌倉検定は1級で
 お酒は2級を飲んでいまして、
 プレゼントをいただきますと喜んでサンキュウと言っています」
がお決まりの自己紹介。
「鎌倉ガイド」としても活躍する湘南通のアマチュア落語家。