【2022年8月6日号〜かん治さんの歴史探訪】

浄楽寺(横須賀市)の正式名称は金剛山勝長寿院大御堂浄楽寺です。その開創は不明ですが、文治5年(1189)に鎌倉幕府侍所初代別当和田義盛が夫人と共に発願し、運慶作の阿弥陀三尊・毘沙門天・不動明王像5体(いずれも国指定重要文化財)を安置したことが起源です。
墓地には郵便の父として知られる前島密(ひそか)の墓が。毎年全国の郵政関係者の参詣があります。

浄楽寺本堂
浄楽寺 横須賀市芦名2-30-5 JR逗子 駅からバス乗車「浄楽寺」下車徒歩1分

運慶作阿弥陀三尊像がそろうのは浄楽寺のみ

全国にある18体の運慶真作に含まれています

運慶作の阿弥陀三尊像(阿弥陀如来・観音・勢至菩薩)がそろうのは世界でも浄楽寺のみです。いずれもヒノキの寄せ木造りで、阿弥陀三尊像に彫眼を、そして毘沙門天・不動明王像には東国最古の玉眼が用いられています。
5体とも運慶30歳代頃の作品で、力強く量感に富んだ写実的な作風は東国武士との出会いの中で作られていったようです。

運慶作の本尊阿弥陀三尊像

前島密の墓は富士山をイメージしています

前島夫妻は晩年に浄楽寺で隠居しています

墓地には、日本近代郵便制度を整えた前島密の墓があります。前島は当時の住職との縁もあり浄楽寺の境内に別邸を設け夫妻で隠居し町の人々のために寺子屋も開いています。ここは夫妻で富士山を見る絶好のスポットでした。前島はこの地で大正8年(1919)85歳の天寿を全う。西洋風の墓は富士山形をしています。

富士山形の前島密の墓

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(川柳例)和田義盛に一句
   “働けど 鎌倉殿の 無情かな”

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かん治さん

「鎌倉検定は1級で お酒は2級を飲んでいまして、プレゼントをいただきますと喜んでサンキュウと言っています」がお決まりの自己紹介。
「鎌倉ガイド」としても活躍する湘南通のアマチュア落語家。