こんにちは。
社会人大学 代表理事の桑名です。

このコーナーでは、学校では教えてくれないような “ 社会の本質 ” や、 “ モノの見え方や伝わり方 ” 等についてお話していこうと思います。

今回の授業は、「想定外」 についてです。

最近自然災害が頻繁に起きています。
災害のニュースや報道番組で必ず出てくる言葉が 「想定外」 ですね。
この「想定外」は自然災害に限ったことではないです。
会社の不祥事や、犯罪、交通事故……ほとんどの事柄で使われますね。

 

なぜ、「想定外」が起きるのか

想定外とは文字通り「想定」の「外」という意味ですね。
つまり「想定外」を起こさないためには想定をしなければいいのです……、と言ってしまったら元も子もありませんね。

何も想定をしない、つまり「心がけておく」ことをしなければもっともっと悪いことが起きるでしょう。
「想定外」を起こさないために私たちが考えなければいけないことは何でしょう?

それは「想定外」を「想定内」にすることです。
ここに一つの実話を紹介します。

東日本大震災の津波被害から村を守った岩手県三陸海岸の普代村の和村幸得元村長の話です。

普代村には防潮堤と巨大な水門があります。
高さは共に15.5メートル。
震災時、その防潮堤の内側にいた人の被害はゼロ。
高さ15.5メートルの防潮堤が村人の命を救いました。
村の北側には、水門があり、こちらも小学校を守りました。
隣の田野畑村には、高さ8メートルの防潮堤がありましたが、死者・行方不明者40人、全半壊533戸の被害が出てしまいました。
普代村は1896年と1933年の津波で1000人以上のが死者を出していたのです。
和村幸得村長が『2度あることは3度あってはいかん』と県にひたすらお願いして建設したのです。
莫大な費用がかかることに県や村民は当時、
『他のことに使えばいいのに』『ここまでの高さは必要なの?』といった批判的意見が多かったそうです。

※「村を救った15mの防潮堤」で検索をすると動画が見られます。

私達が考えなければいけないことは、何事もない日常の中で想定することは実は小さい範囲である事、そして「想定外は必ず起きる」という心構えが大切だと思うのです。