やっちゃダメ! と言われると、やりたくなる。
食べちゃダメ! と言われると、食べたくなる。
1月から3月中旬までダメ!だったシラス漁がようやく解禁になりました。
待ち遠しかった。
ツルンとした食感の生シラス、おいしいですよね。

シラスとは、マイワシ、カタクチイワシなどの稚魚のこと。
色素が少ないため海中では目立たぬ透明に。
白い砂の州(川に囲まれた陸地)のようでシラスとか…。

鮮度低下が早いため、水揚げした日に食べたい「生シラス」、ゆでただけの「釡揚げシラス」、その後、少々乾燥させると「シラス干し」、しっかりじっくり干しあげた「ちりめんじゃこ」、型枠に入れて薄~く平べったく乾燥させれば「たたみいわし」。
魚を丸ごと食べるので栄養たっぷり。
カルシウムが豊富で脂質は少なめ。

シラスが成長すると「弱い魚」こと鰯(イワシ)に。
寿司ネタの定番はマイワシ。
香辛料とオイルで煮れば「オイルサーディン(鰯)」に。
小型のカタクチイワシは、煮沸乾燥させて「煮干し(いりこ)」、正月料理の定番「田作り」、塩漬けにすれば「アンチョビ」です。

大阪おさかな健康食品協議会が決めた「イ(1)ワ(0)シ(4)の日(10月4日)」まであと半年とちょっと。
マイワシの旬6月まではあと2カ月とちょっと。
「待て」と言われるほどに「食べたさ」が増していくけれど、落ち着いて、まずは今の旬の食材を堪能しましょう。

 

 

151223-文教広報誌BP顔写真

笠岡誠一(かさおか・せいいち)

1967年、広島県生まれ。
文教大学健康栄養学部教授。
管理栄養士。
食品栄養学修士(東京農業大学)。
博士(農学)(愛媛大学)。


山之内製薬(現・アステラス製薬)健康科学研究所研究員、アメリカ国立衛生研究所(NIH)客員研究員を経て現職。専門分野は栄養学、食品化学。レジスタントスターチに早くから注目し、レジスタントスターチを増やした「ハイレジ食」の開発なども行う。小説「きみのハラール、ぼくのハラール」や映画制作「CHO-KATSU」など、多分野で活躍中。