【2024年9月14日号〜家計簿コーチングより】

パートで働く主婦です。夫の扶養に入っています。
10月から扶養の制度が変わるという話を聞き、どんな働き方がよいのか気になっています。

茅ヶ崎市・Kさん(48歳)
茅ヶ崎市・Kさん(48歳)
秋山友美
秋山友美

手取りと保障面を踏まえて
今後の働き方を検討しましょう

「年収の壁」といわれているうちの社会保険料(健康保険料、年金保険料)に関わる壁について次のような変更があります。

●従業員51人以上の会社が対象に 
10月から変わるのは、勤め先の企業規模によって設けられている「106万円の壁」についてです。
現状は、従業員101人以上の会社にお勤めの人が対象ですが、10月からは、従業員51人以上の会社にお勤めの人が対象となります。
Kさんの勤務先は対象になりますか? 対象となる場合は、下記に当てはまると健康保険と厚生年金保険に加入することになり、保険料の支払いが必要となるので手取りが減ります。 
 ・週の勤務時間が20時間以上
 ・給与が月額8万8000円以上(残業代、賞与、通勤手当、その他手当等は原則含まず)
 ・2カ月を超えて働く予定がある
 ・学生ではない

●保障が手厚くなるメリットも
手取りは減ることになりますが、健康保険に加入をすることで病気やケガで4日以上続けて休んだ際の保障である「傷病手当金」が給付対象となりますし、厚生年金保険に加入をすることで、万が一の時の障害年金の保障が手厚くなり、老後受け取ることができる年金額が増えます。
手取りの金額だけを見るのではなく、これらの保障面も踏まえて総合的に検討をすることが大切ですね。
また、今回「106万円の壁」の対象企業とならなかった場合でも、ゆくゆくは社会保険料の支払いが必要となってくる可能性があります。
社会保険に加入することで手取りが減ってしまうことは一見マイナスにも思えますが、それだけで判断をするのではなく、Kさんがどのような働き方をしたいのか、希望する働き方をした場合の手取り額と保障面を踏まえて検討してみてください。

秋山 友美

・ファイナンシャル・プランナー
・「家計コーチ」代表
・CFP(R)(一財)生涯学習開発財団認定コーチ
藤沢市に開設した「湘南おかねの相談室」を拠点にFP相談・家計診断・パーソナルコーチなどを行い、ライフプラン・住宅取得・資産運用などの講師としても活動中。


相談受付中!

1カ月の家計簿と相談内容(詳細な家計簿なしで相談のみもOK)を書いて、ご応募ください!