夫は再来年60歳の定年を迎えます。
退職金は約2000万円で、一括か年金方式かの受け取り方を選べるそうです。
どちらを選ぶのがよいのでしょうか。

藤沢市・Gさん(57歳)
藤沢市・Gさん(57歳)

秋山友美
秋山友美

税金や社会保険上の判断とライフプランを考慮して選択を

退職金を一括で受け取るときの税金の計算を見てみましょう。
収入金額(源泉徴収される前の金額)から退職所得控除額を差し引いた額に2分の1を乗じた金額が退職所得額です。
勤続年数30年のGさんの場合は1500万円の退職所得控除額があり、それを引いた500万円の2分の1にあたる250万円に対して所得税と住民税がかかります。

年金で受け取る場合は、毎年、公的年金と合わせて雑所得として税金が計算されます。
Gさんは公的年金もしっかりと受け取れると思われるため、税金だけではなく所得をもとに計算される国民健康保険料・介護保険料の負担も重くなる可能性があります。
年金方式の受け取り年数や金額により判断をする必要がありますが、一括受け取りのほうが有利になる可能性が高いです。

次にライフプランから考えると、Gさんの場合は、資産形成がしっかりとできていますので、今すぐに退職金を利用する必要はないでしょう。
また、無駄使いをしてしまう心配もないと思いますので、どちらの受け取り方でも問題はないといえます。

一括受け取りを選んだ場合は、各金融機関の退職金専用のプランなどを比較して、少しでも有利に増やす工夫を忘れないようにしてください。
また、退職前に通信費や保険料などの固定費の見直しをしておくと退職後の生活のゆとり資金が増えますね。

秋山 友美

ファイナンシャル・プランナー。
CFP(R)(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
「家計コーチ」代表。

藤沢市に開設した「湘南おかねの相談室」を拠点にFP相談・家計診断・パーソナルコーチなどを行い、ライフプラン・住宅取得・資産運用などの講師としても活動中。

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