“天守君山願成就院”は時政開基の寺院です。『吾妻鏡』 文治5年(1189)6月6日の条に時政が源頼朝の奥州藤原氏征討の戦勝を祈願して伽藍(がらん)を造営したとあります。

この辺りは現在の伊豆半島の北半部で、南条・北条・上条・ 中条と呼ばれる地が境を接していました。

先祖ゆかりの地 を選んで寺院を創建。時政の死後も、義時、泰時の3代に わたり堂塔の建立があり伽藍が整備されています。

願成就院の大御堂
願成就院の大御堂
伊豆の国市寺家83-1。
伊豆箱根鉄道「韮山駅」下車徒歩15分

願成就院跡は国指定史跡です

大きな池の周囲に堂塔が建ち並ぶ寺院でした

国指定史跡の石

長期にわたる境内や周辺地域の発掘調査で、西側の守山を背景に大きな池の周囲に諸堂宇が建ち並ぶ大規模な浄土庭園を持つ寺院だと分かりました。

鎌倉時代の伽藍の様子が多くの部分で明らかになり、現在では守山東斜面と境内及び東側隣接地が 国指定史跡になっています。

境内には北条時政の墓があります

時政公八百年忌供養として造立

北条時政の墓

時政は、伊豆国の有力豪族の在庁官人で頼朝を監 視の立場でしたが、

娘政子が頼朝に嫁ぎ頼朝の岳父となると頼朝の挙兵を助けます。

そして鎌倉幕府成立に 貢献し頼朝の参謀役として大いに活躍して北条氏繁栄の礎を造ります。

78歳で没すると、同寺が菩提寺となります。

国宝5体の仏像群

同寺の大御堂には平成25年(2013年)国宝指定の仏像群5体が安置されています。

この中の4体からは胎内銘札が見つかり時政と仏師運慶の名前がありました。

この5体の仏像群は、平家滅亡の翌年の文治2年(1186)に名仏師運慶の30歳代中頃の作とされ、

東国では最初の造像です。

”国宝の阿弥陀如来坐像”不動明王・矜羯羅(こんがら)童子・制迦(せいか)童子の三尊立像”

”毘沙門天立像”の5体の仏像は拝観することができます。

 

かん治さん

「鎌倉検定は1級で お酒は2級を飲んでいまして、プレゼントをいただきますと喜んでサンキュウと言っています」がお決まりの自己紹介。
「鎌倉ガイド」としても活躍する湘南通のアマチュア落語家。