極楽寺は鎌倉中期の創建で、鎌倉で唯一の真言律宗の寺院です。
開山は奈良西大寺の叡尊(えいそん)に戒律を学んだ“忍性(にんしょう)”です。開基は2代執権北条義時の三男・北条重時で、先に深沢の地に創建された当寺を現在地に移建。後に父の志を継いだ子の長時と業時兄弟が極楽寺を完成させました。
最盛期には、金堂、講堂、十三重塔などの伽藍の他に多くの塔頭を備えた大寺院でした。
ご本尊と「忍性塔(墓)」の特別公開
◆“お花まつり”(お釈迦様の誕生日)の行事の一環です
極楽寺のご本尊は、京都の清凉寺の釈迦像を模した“清凉寺式釈迦如来像”(国重文)です。頭髪は縄を巻いたような形で、衣文(えもん)は同心円状で首まで包んでいます。境内の“転法輪殿(てんぽうりんでん)”(宝物館)に安置。寺の裏手の西方にある奥ノ院には「忍性塔」(国重文)が建っています。安山岩製で総高394.5㎝の五輪塔です。忍性は境内に、医療・福祉施設を設け、不幸な人々を救済する事業に取り組みました。ご本尊と忍性塔の特別公開は4月7日・8日です。
極楽寺参道のソメイヨシノの桜並木
◆山門を入ると本堂の近くまで桜並木が続きます
参道に咲くソメイヨシノのアーチが参拝者を楽しませます。例年は3月下旬からが見頃のようです。
極楽寺の“桐ケ谷桜”
極楽寺の“桐ケ谷(きりがや)桜”の呼称は材木座桐ケ谷原産が由来です。一枝に八重と一重の花が咲くので“八重一重咲き分け桜”の呼び名も。8代執権北条時宗お手植えの桜のようで、別名“御車(みくるま)返しの桜”とも呼ばれています。ソメイヨシノが咲き始めてから1週間後に咲きます。
※桜の写真提供2点は東三保さん
かん治さん
「鎌倉検定は1級で お酒は2級を飲んでいまして、プレゼントをいただきますと喜んでサンキュウと言っています」がお決まりの自己紹介。
「鎌倉ガイド」としても活躍する湘南通のアマチュア落語家。