イチゴは果物。

学校や病院で使われる食品成分表での定義。
文部科学省が責任省庁。
糖分が多く甘味が強いので当然、果物。
メロンもスイカも果物。

ところが、農林水産省は、2年以上の栽培が必要な大きな植物の実を果物と定義。
単年で収穫できるイチゴ、メロン、スイカは野菜。
「もっと野菜を食べなさい!」と言ったら、「わかったよ」と言ったお子さんがイチゴを食べ始めた。
そして「by 農林水産省」と言った。
うなずくしかないのです…。

イチゴやメロンが野菜?
植物のどこを食べているかを考えると納得できます。
5つに分類されています。
大根、ニンジンなど根っこを食べる根菜類(こんさいるい)
アスパラやセロリなど茎を食べる茎菜類(けいさいるい)
白菜やキャベツなど葉っぱを食べる葉菜類(ようさいるい)
ブロッコリーなど葉っぱを食べる花菜類(かさいるい)
ナス、トマトなど実を食べる果菜類(かさいるい)

イチゴはまさに植物の実(果実)です。
ナスやトマトと同じ部位。
たまたま糖分が多かったので食品成分表では果物に。
消費者目線の判断です。

バナナは大きな木になる熱帯性の果実。
農林水産省的には果物です。
甘味がありデザート的に食べています。
食品成分表的にも果物です。
ならば、小型の青(緑)バナナはどうでしょう?
甘味の少ない芋っぽい食感と味。
青パパイヤはどうなの?

つづきは次回…。

 

 

151223-文教広報誌BP顔写真

笠岡誠一(かさおか・せいいち)

1967年、広島県生まれ。
文教大学健康栄養学部教授。
管理栄養士。
食品栄養学修士(東京農業大学)。
博士(農学)(愛媛大学)。

山之内製薬(現・アステラス製薬)健康科学研究所研究員、アメリカ国立衛生研究所(NIH)客員研究員を経て現職。専門分野は栄養学、食品化学。レジスタントスターチに早くから注目し、レジスタントスターチを増やした「ハイレジ食」の開発なども行う。小説「きみのハラール、ぼくのハラール」や映画制作「CHO-KATSU」など、多分野で活躍中。