【2021年5月29日号】母に生前もらった1000万円。遺産に含めて分けるべき?

日常の「こんな時どうしたら?」の相談を、法律のプロがお答えします。

今回のお悩みは平塚市 50代女性からいただきました。

お悩み
先日母が亡くなり遺産分割の話になりました。
遺産は約1000万円、相続人は私と兄の2人。
私は10年間母と同居し母の経営する美容室を無償で手伝ってきました。
母からは毎年100万円ずついただいていたのですが、兄はその計1000万円も遺産に含めて分けるべきと言っています。
従わなければならないのでしょうか?

労働の対価だった場合は免除の可能性もあり。
「贈与」に当たるなら「持戻し」で相続財産に

まず、お母様からもらった計1000万円が「特別受益」すなわち「生計の資本として贈与」に当たるかどうかが問題になりますね。

特別受益に当たるとすれば相続時にあった財産にその1000万円を加えたものが相続財産とみなされることになります(民法903条1項)。

これを「持戻し」といいます。

ただ、同条3項に「被相続人が…異なった意思を表示したときは、その意思に従う」と定められていますので(持戻し免除の意思表示といいます)、毎年100万円ずつお渡しになっていたお母様のご意思が問題となるでしょう。

もし、労働の対価として支払っていたとすれば、持戻し免除の意思表示があったとされる可能性は高いでしょう。

その場合は、すでにもらった1000万円はそのまま、相続時にあった財産を相続人で分けることになります。

持戻しが必要となったとしても、10年間無償で働いてきたという事情があるので、「寄与分」(民法904条の2)を主張してもよいかと思います。

仮に寄与分が3割と決まれば、相続財産からまず3割を除き、残りの7割を相続人で分けることになります。

お母様の生前の生活状況等を詳しくお兄様にお話になって、円満に話し合って解決していかれればよろしいかと思います。

 

アドバイスをしてくれたのは

湘南茅ヶ崎法律事務所
弁護士 増井 瑞穂さん

 

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