具体的な候補地はまだなく、
移住支援をしている自治体を調べている段階です。
資金準備計画はどのように進めればよいですか。

藤沢市・Aさん(30歳)
藤沢市・Aさん(30歳)

秋山友美
秋山友美

移住先の働き方を検討して収支計画を立てましょう!

地方で自給自足生活をしたいとのこと。
Aさんは移住先でどのような暮らしをイメージしているのでしょうか?
そこが移住先の選択や資金計画のポイントになります。

どこまでの自給自足生活を望んでいるのか分かりませんが、資金計画作成にあたっては、
移住先での収入と支出の見込みを立てる必要があります。
収支がマイナスになるようなら、そのマイナスを補う分の備え=貯蓄を準備する必要がありますね。

そのため、まず移住先での働き方、何をしていきたいのか?その収入見込みをイメージできるといいですね。
次に支出見込みを立てること。
地方だからと言って生活費が安くなるとは限りません。
車が2台必要になり、車の維持費が2倍かかったり、寒い地方では光熱費が今より増えるケースもあります。

参考までに総務省の家計調査で北海道地方、関東地方、沖縄地方の1カ月の支出データを載せておきます。
行きたい地域が決まったら家計調査で近いと方のデータを調べて関東地方のものと比較すると、
どこが違うのか分かり、収支見込みを立てやすくなります。

 

■都市階級・地方・都道府県庁所在市別 
1世帯当たり1カ月間の支出

用途分類全国北海道地方
消費支出277,926267,187
食料76,44070,208
高熱・水道21,83627,637
家具
家事用品
12,53810,580
被服及び履物8,7998,492
保健医療14,21113,168
交通・通信39,91039,298
教育10,2905,775
教養娯楽24,28522,471
その他
消費支出
52,25150,133
用途分類関東地方沖縄地方
消費支出293,290206,758
食料81,31465,937
高熱・水道21,54119,007
家具
家事用品
13,35610,315
被服及び履物9,4565,772
保健医療15,4519,118
交通・通信38,90929,341
教育13,6464,090
教養娯楽27,09214,045
その他
消費支出
53,11632,762
総務省家計調査(2020年)から

どこに移住するにしても、生活が軌道に乗るまでは時間がかかる可能性があります。
最低でも移住のための引っ越し代や家具など生活用品をそろえる費用と、
1年間は家族が暮らせるだけのお金は準備しておく必要があります。

お子さんの大学資金については、下宿の仕送り代が必要になるなど、
地方ゆえに多くかかる場合もあります。
その資金を見込んで貯蓄できるだけの計画も立てておきたいですね。

秋山 友美

ファイナンシャル・プランナー。
CFP(R)(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
「家計コーチ」代表。

藤沢市に開設した「湘南おかねの相談室」を拠点にFP相談・家計診断・パーソナルコーチなどを行い、ライフプラン・住宅取得・資産運用などの講師としても活動中。

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