【2021年9月25日号】WAKAME

10月1日は食物せんいの日。
「せんい」を1001(せんいち)から連想させた。
便秘の解消をしたり、腸内環境を改善したり、血中のコレステロールを低下させるなど体に良い成分。
が、不足しがちな成分です。
1日あたりもう3gほど食べたいところ。

そんな食物繊維。
思い浮かぶのはゴボウやコンニャクでしょうか?
ゆでたゴボウ100gに6.1g、きんぴらごぼうに使えば1人前で約1.2g。
ところが乾燥したわかめだと100gあたり39.2g、みそ汁にさらっと2g加えれば0.8gほどになる。
なかなかの量。

そんなワカメも欧米では不人気。
漁業用の機械に絡まってしまうとか、ムール貝の養殖に悪影響を与えるとかで邪魔者扱い。
しかも欧米人はワカメの食物繊維を利用できないらしい。
体内の腸内細菌は住んでいる国で大きく違うのだ。
予想通り、日本人の腸内細菌はワカメの利用に適している。

ワカメの歴史は古い。
平安時代の書物には和布(わかめ)の記述がある。
味の良さに加え薬食的な価値が評価され貢物にされていた。
現代まで長く食べ続けた結果、私たちの腸内細菌の構成が変化したようだ。
これこそ地産地消。
地元の食材に適するように体が適応するのだろう。

ワカメはうま味成分グルタミン酸も豊富。
昆布以上に含まれている。
UMAMIは立派な英語になった。
その味を欧米人も理解している。
ワカメの仲間、真っ黒な海苔(のり)でさえSUSHIの必須の存在になった。
ワカメがWAKAMEになる日は近い。

  

 

151223-文教広報誌BP顔写真

笠岡誠一(かさおか・せいいち)

1967年、広島県生まれ。
文教大学健康栄養学部教授。
管理栄養士。
食品栄養学修士(東京農業大学)。
博士(農学)(愛媛大学)。

山之内製薬(現・アステラス製薬)健康科学研究所研究員、アメリカ国立衛生研究所(NIH)客員研究員を経て現職。専門分野は栄養学、食品化学。レジスタントスターチに早くから注目し、レジスタントスターチを増やした「ハイレジ食」の開発なども行う。小説「きみのハラール、ぼくのハラール」や映画制作「CHO-KATSU」など、多分野で活躍中。

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