あと3年で夫が定年。
退職金で住宅ローンを完済する予定です。
貯蓄が少ない中、子どもの奨学金を返済しています。
家計簿をつけているのにお金が貯まらず、老後は年金頼みで大丈夫でしょうか。

藤沢市・Nさん(55歳)
藤沢市・Nさん(55歳)
秋山友美
秋山友美

最低1年分の生活資金の準備を
家計簿は“振り返り”が肝心

収支内訳

◆月間収入(手取り)

夫 ………………350,000

妻 ………………110,000

◆月間支出

住宅費 …………130,000

食費 ………………65,000

水道・光熱費……11,000

保険料 ……………60,000

小遣い・夫婦 ……60,000

日用品・雑貨 ……20,000

被服費 ……………11,000

交際費 ……………13,000

その他 ……………50,000

貯金 ………………40,000

◆ボーナス収入

手取り合計 …1,500,000

◆ボーナス支出

住宅修繕 ……1,100,000

奨学金返済 ……400,000

◆現在の資産

預貯金 ………1,000,000

 

退職後は年金頼みというNさんですが、病気や介護、災害など不測の事態が起きたとき資金がないのは、やはり心配です。
最低でも生活費1年分ぐらいの現金を手元に残しておきたいもの。
退職までの3年間は、これを目標に貯(た)めることをお勧めします。
今年はボーナスから住宅修繕費を出していますが、その負担がなければ毎月の支出カット分とボーナスからの貯金で十分貯められると思います。

Nさんのように「家計簿をつけているのに貯蓄ができない」という声をよく聞きますが、ただつけているだけでは意味がありません。
結果を振り返り、分析して家計を見直すことで、初めて効果を発揮します。

現在の月間支出では、「その他」の5万円の内訳が気になります。
一般的に50代は無駄な固定費が増える傾向があります。
例えば利用していないクレジットカードの年会費や、なんとなく払い続けている携帯アプリの会費など、少額だからとそのままにしているケースが多いようです。
定年後に備えて、無駄な出費は徹底的にカットしておきましょう。

また、保険も見直しのタイミングです。
貯蓄型でなければ夫婦で月6万円の保険料は高い印象です。
保険が本当に必要なのかどうかも含めて、この際一度検討してください。

これまでの家計簿を見直しながら、自分がお金をかけたいところ、節約してもいいところを決めましょう。

秋山 友美

ファイナンシャル・プランナー。
CFP(R)(一財)生涯学習開発財団認定コーチ。
「家計コーチ」代表。

藤沢市に開設した「湘南おかねの相談室」を拠点にFP相談・家計診断・パーソナルコーチなどを行い、ライフプラン・住宅取得・資産運用などの講師としても活動中。

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