【2024年6月8日号〜家計簿コーチングより】

投資信託など商品を分散すればするほどリスクが減らせると聞きましたが、管理が大変そうです。
どうすればよいですか。

藤沢市・Sさん(42歳)
藤沢市・Sさん(42歳)
秋山友美
秋山友美

資産全体を目的別に整理し
時間をかけて商品選択を

Sさんの定期預金が満期になり、約300万円のお金をどのように管理したらよいのかを考えているところだそうです。

どうするかは他の資金の状況や今後のお金の利用予定によって異なります。何のためのお金なのかによって、預け先や運用方法が異なります。闇雲に分散をしてもリスクが回避できるわけではありません。

満期になった定期預金のお金だけで判断をするのではなく、資産全体を目的別に整理して検討します。基本的な考え方を紹介しましょう。

■最初に資産を3種類に分けてみる
①普段利用するお金=流動性を重視。普通預金など。
②直近で利用予定があるお金や生活防衛費(万が一の時のためのお金)=安全性を重視。金利が高い金融機関の定期預金、国債など。
③10年以上利用予定がないお金=収益性を重視。投資信託などの金融商品を活用して運用。運用益が非課税になるNISAを活用するのはこの資金です。

■資産・地域・時間の分散でリスク回避
投資のリスクを減らすために分散する場合は、株式、債券、不動産など「資産の分散」、先進国、日本、新興国など「地域の分散」、そして投資のタイミングを複数回に分ける「時間の分散」を意識します。
一つの投資信託で「資産分散」や「地域分散」ができる商品(バランス型)もありますので、それを一定金額ずつ積み立てで購入することで「時間の分散」もできますね。

多くの投資商品を買うだけが分散ではありません。
さまざまな商品を買っていながら資産が一つの地域に集中してしまっているようなケースもよく見かけます。
満期の資金で慌てて商品を購入するのではなく、目的別に資産を整理した上で、投資の基本を踏まえ、商品選択に時間をかけてくださいね。

秋山 友美

・ファイナンシャル・プランナー
・「家計コーチ」代表
・CFP(R)(一財)生涯学習開発財団認定コーチ
藤沢市に開設した「湘南おかねの相談室」を拠点にFP相談・家計診断・パーソナルコーチなどを行い、ライフプラン・住宅取得・資産運用などの講師としても活動中。


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