【2025年2月22日号〜家計簿コーチングより】
貯金の出し入れや管理がしやすいよう、家族の貯金は全て私名義口座に入れています。
年を取るにつれ、私が先にいなくなったらどうなるか心配です。

夫名義の預金準備とともに資産を整理して一覧表作成を
家族の貯金は全て、家計管理している妻名義にしているとのこと。
ご心配のとおり、どちらかに万が一のことがあった時のために対策が必要です。
まず、銀行口座は、口座名義人が亡くなると法的には相続財産として扱われます。このため、名義人の死亡が確認され次第、該当する口座は凍結され、口座からの引き出し(引き落としや振り込みを含む)や自動引き落としの支払い(公共料金やローンなど)ができなくなります。
口座凍結を解除するには、相続人全員の同意が必要です。
たとえ配偶者であっても、単独での手続きや引き出しはできなくなります(当面必要な資金を利用できる「相続預金の払戻制度」はあります)。
亡くなった時だけではなくSさんが病気になった時など、残された家族が慌てないように今からまずは夫名義の資産も準備しましょう。
ただし、夫名義の口座に資金を移動する際には、夫婦間の資金移動でも贈与税の対象とみなされる場合もありますので、注意が必要です。贈与税の基礎控除、年間110万円の範囲でおこなったり、今後の貯蓄を夫名義の口座にするなどして準備してください。
また、夫の給与振り込み口座から妻の口座へお金を移して管理をしている場合、生活費として利用している分には通常は贈与税の対象にはなりません。ただし、夫が先立った場合に妻の口座にあるお金は、夫の財産として相続税の課税対象になる場合もあります。
家計簿を拝見すると保険料の掛け金がありますが、貯蓄性がある保険の場合は、契約者が誰なのかも注意が必要です。
妻が被保険者の保険でも契約者が夫の場合は、夫の死後、その保険は夫の相続財産となり、解約返戻金相当額が相続財産として課税対象になります。
この機会に夫名義の預金を準備すると同時に相続対策も考え、それぞれの名義の資産を整理し、どこの金融機関にいくらの資産があるのか「資産一覧表」を作っておくことも大切です。
秋山 友美
・ファイナンシャル・プランナー
・「家計コーチ」代表
・CFP(R)(一財)生涯学習開発財団認定コーチ
藤沢市に開設した「湘南おかねの相談室」を拠点にFP相談・家計診断・パーソナルコーチなどを行い、ライフプラン・住宅取得・資産運用などの講師としても活動中。
相談受付中!
1カ月の家計簿と相談内容(詳細な家計簿なしで相談のみもOK)を書いて、ご応募ください!