【2025年9月27日号~家計簿コーチングより】

友人の中に早期退職をする人がいます。「FIREという生き方を選んだ」と聞き、私も興味を持ちました。

藤沢市・Kさん(40歳)
藤沢市・Kさん(40歳)
秋山友美
秋山友美

年間いくらで暮らしたいかを明確にし、コツコツ運用が王道です

「FIRE(Financial Independence, Retire Early=経済的な自立と早期の退職)」とは、資産運用により生活費を確保する仕組みを作った上で、早期に仕事をリタイアするライフスタイルです。
40代から目指すなら、まず「自分は年間いくらで暮らしたいか」を明確にするところから始めましょう。
一般的にFIREをするには生活費の25倍が目安とされ、年300万円で暮らすなら7500万円程度が必要とされています。

■投資原資を着実に増やす工夫を
40代からFIREを目指す場合は、限られた時間をどう戦略的に使うかが重要です。
闇雲に高リスクの投資で一発逆転を狙うのは危険!
むしろ投資に回せる資金を着実に増やす工夫こそがポイントです。
副業やスキルアップで収入源を広げる、固定費や生活費の見直しで家計に余裕を作るなど、日々の積み重ねが投資原資につながります。

■NISA制度で非課税枠を活用
投資初心者であれば、運用は株式インデックス型の投資信託など低コスト商品でコツコツ積み立てるのが王道です。
NISA制度を活用すれば、運用益が非課税となり効率的に資産を増やせます。
非課税枠は生涯で最大1800万円、保有期間も無期限のため計画的に活用すれば大きな効果が期待できます。
そして、実際に投資をスタートしながらでよいので投資について学ぶことは忘れずに! 

王道の投資を基本としながら、個別株式やアクティブ型の投資信託など値動きの大きい商品に挑戦する方法もあります。
ただしリターンが大きい分、資産を減らすリスクも高いため、しっかりと学びつつ慎重に取り入れることが大切です。

■残された時間を生かして無理なく資産形成
完全FIREが難しい場合は、運用益と副収入を組み合わせて働く時間を減らす「サイドFIRE」は現実的な選択肢です。
FIREは単なる夢物語ではなく、自分に合った働き方と生き方を選ぶための手段。
まずは家計の現状を把握し、残された時間を生かした、無理のない資産形成の計画を立てましょう。 

秋山 友美

・ファイナンシャル・プランナー
・「家計コーチ」代表
・CFP(R)(一財)生涯学習開発財団認定コーチ
藤沢市に開設した「湘南おかねの相談室」を拠点にFP相談・家計診断・パーソナルコーチなどを行い、ライフプラン・住宅取得・資産運用などの講師としても活動中。


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