【2025年10月11日号~家計簿コーチングより】
日用品の在庫があるのに安さにつられて買い過ぎたり、出かけると2食外食したり、旅行でお土産をたくさん買ったり…。気のゆるみなのか、反省の日々です。

行動経済学を味方につけて気持ちよくお金を使える仕組み作りを
お気持ち、よく分かります。
私自身も同じような経験がありますし、多くの方が悩んでいることだと思います。
それは、意思が弱いからではなく、人の心理のクセによるものなんです。
行動経済学では、こうした行動を次のように説明しています。
●アンカリング効果
「定価○○円が半額!」といった表示が基準(アンカー)になり、実際には不要でも“得をした”と感じてしまう心理。
●現在バイアス
未来の節約よりも「今の楽しみ」を優先してしまう傾向。
外食や旅行で財布がゆるむのは自然なことです。
●メンタルアカウンティング(心の会計)
家計を無意識に別の財布で分けてしまう心理。旅行やお土産代は「特別枠」と考えてしまいがちです。
こうした心理を理解すれば、「自分を責めなくていい」と気づけます。
その上で大切なのは、意思に頼らず仕組みを作ることです。
★ルール化
買い物リストを事前に作り、リストにないも物は買わないと決めておきます。
在庫一覧を紙やアプリで管理しておけば、冷蔵庫の奥から同じ調味料が出てくる…なんて失敗も減ります。
★ワンクッション
カゴに入れたらすぐにレジへ行かず、「これは今すぐ必要?」と自分に問いかけてみましょう。
ほんの1分立ち止まるだけでも効果的です。
さらに、買い物前に冷蔵庫や洗面所の在庫をざっと確認する習慣をつければ、重複買いがぐっと減ります。
★見える化
買い物や旅行の支出を、使ったらすぐに家計簿アプリなどに入力し、寝る前に振り返りましょう。
1日の出費が小さな日記のように積み重なり、お金の流れが自然と意識に残ります。
節約は「我慢」ではなく「仕組み作り」です。
行動経済学を味方につけて、お金の後悔を少しずつ減らし、気持ちよく使える習慣を身につけていきましょう。
秋山 友美
・ファイナンシャル・プランナー
・「家計コーチ」代表
・CFP(R)(一財)生涯学習開発財団認定コーチ
藤沢市に開設した「湘南おかねの相談室」を拠点にFP相談・家計診断・パーソナルコーチなどを行い、ライフプラン・住宅取得・資産運用などの講師としても活動中。
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