【2025年11月8日号~家計簿コーチングより】

今後どれくらい貯金額を増やせばよいか分かりません。また、支出を制限するあまり行動が制限されるためどのようにバランスを保てばよいでしょうか。

藤沢市・Mさん(26歳)
藤沢市・Mさん(26歳)
秋山友美
秋山友美

お金を「守る」だけでなく、「生かす」意識を持って家計を育てましょう

収支内訳
◆月間収入…240,000
◆月間支出    
住居関係費…50,000
食費…30,000
日用品・雑貨…50,000
保険料…40,000
車関連費…20,000
貯金…50,000

毎月5万円(貯蓄率約20%)の貯蓄を続けられているのは素晴らしいことです。
26歳の今から「貯(た)める習慣」が身についているのは、将来に向けた大きな強みといえます。
これからは漠然と貯蓄を増やすよりも、目的ごとにゴール設定をすることで、より効果的な資産形成を続けられるでしょう。

まずは、3段階で貯蓄の目的を整理してみてください。
①生活防衛資金:病気や転職などに備え、生活費3カ月〜1年分を確保
②中期目標:旅行や引っ越し、自己投資など3~5年以内に使う資金
③長期目標:老後資金や当面利用予定がないお金(NISA・iDeCoを活用)
こうして目的を分けることで、「今使うお金」と「将来に残すお金」が明確になり、貯蓄が“前向きな選択”になります。

また、支出を見ると、保険料(月4万円)がやや高めです。
貯蓄型保険である可能性がありますが、もし「貯める目的」で入っている場合は、保険としての役割が本当に必要かを見直してみましょう。独身のうちに死亡保障が必要なのか、医療保障などは公的制度でカバーできないのかを踏まえて見直しをしてみてください。
貯蓄目的なら、流動性が高く、税制優遇制度などを活用した商品の方が柔軟性がありますね。

そして、将来収入が増えたときは、例えば、増えた分の半分を貯蓄に回し、残りの半分を自己投資や楽しみのために使うなど貯蓄と、「使うお金」を意識して分けてみてください。
学びや経験、趣味にお金を使うことは、将来の選択肢を広げ、生活の質を高める“投資”です。
お金を「守る」だけでなく「生かす」意識を持つことで、より前向きに家計を育てていけるでしょう。

秋山 友美

・ファイナンシャル・プランナー
・「家計コーチ」代表
・CFP(R)(一財)生涯学習開発財団認定コーチ
藤沢市に開設した「湘南おかねの相談室」を拠点にFP相談・家計診断・パーソナルコーチなどを行い、ライフプラン・住宅取得・資産運用などの講師としても活動中。


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