【2025年11月22日号~家計簿コーチングより】

生命保険や火災保険などを見直して、教育費に回したいです。安くて保障内容が良いのが理想ですが、どの保険が一番良いのかがわかりません。

相模原市・Oさん(52歳)、夫(53歳)、長男(19歳)、二男(17歳)
相模原市・Oさん(52歳)、夫(53歳)、長男(19歳)、二男(17歳)
秋山友美
秋山友美

無駄を省き必要な保障を確保しながら家計全体のリスク管理を

50代の方から「保険料の負担が重いため、保険の見直しをしたい」というご相談はとてもよくいただきます。
保険を見直す際につい意識してしまうのが「安くしたい」という気持ちですが、保険は“安ければ良い”ものではありません。
重要なのは、必要な保障を、適正な保険料で確保できているかという点です。


■保険の見直しは、各種保障制度の確認から
まず確認したいのは、「保険ありき」で考えないこと。
生命保険の場合、公的な遺族年金だけではなく、死亡退職金や弔慰金など勤務先独自の保障制度がないか確認したいですね。
医療費についても、高額療養費制度や、勤務先の健康保険組合に付加給付制度があるケースもあり、一定額を超えた自己負担は軽減されます。
こうした保障を把握した上で、「どこまでを民間の保険で備えるか」を考えることが大切です。
また、すべてを保険で備えるのではなく、貯蓄で補える部分がないかも検討しましょう。
たとえば入院やケガの一時的な出費は貯蓄で対応できる一方、世帯主に万一のことがあった場合の生活費など、家計への影響が大きいリスクは保険で備える…。
このように“リスクの大きさ”に応じた対策を取るのが、効率的な保険設計です。


■損害保険はリスクに応じた補償内容を選択
一方、火災保険や自動車保険などの損害保険は、損害発生時の経済的ダメージが大きいため、必要性が高い保険です。
火災保険は、お住まいの地域のハザードマップを確認し、洪水や内水などのリスクに応じて補償内容を選びましょう。


■複数の保険会社の見積もりで内容を比較
そして、保険を選ぶ際は、1社の商品だけで判断せず、複数の保険会社を比較できる代理店で見積もりを取りましょう。
保険料の差だけでなく、保障内容・支払い条件などを総合的に比較することで、自分たちに合ったプランが見えてきます。
保険の見直しは、単なる「節約」ではなく「家計全体のリスク管理」です。
教育費の支出が続く今こそ、家計の優先順位を見直す好機です。
無駄を省きながら、必要な保障をしっかり確保することで、安心して子どもの将来を支えられる家計づくりにつながります。

秋山 友美

・ファイナンシャル・プランナー
・「家計コーチ」代表
・CFP(R)(一財)生涯学習開発財団認定コーチ
藤沢市に開設した「湘南おかねの相談室」を拠点にFP相談・家計診断・パーソナルコーチなどを行い、ライフプラン・住宅取得・資産運用などの講師としても活動中。


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