日常の「こんな時どうしたら?」の相談を、法律のプロがお答えします。
今回のお悩みは藤沢市 Fさん50代からいただきました。
お悩み
昨年の台風で隣家のスレート屋根の破片が飛んできて、わが家の外壁等を傷つけました。
お隣は「台風なのでしょうがない」とのことで責任がないとおっしゃいます。
本当に修繕してもらえないものでしょうか?
教えてください。
お隣は「台風なのでしょうがない」とのことで責任がないとおっしゃいます。
本当に修繕してもらえないものでしょうか?
教えてください。
問題は、お隣の建物の管理に「瑕疵」があったかどうか
建物から生じた被害については、民法717条に「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵(かし)があることによって他人に損害が生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う」という規定があります。
「瑕疵」とは通常備わっているべき性能や設備を欠いている状態のことです。
昨年の非常に強い台風のように多くの住宅の屋根が飛ばされるという状況であれば、原則、自然災害による不可抗力として瑕疵があったとはいえず、したがって、損害賠償義務は発症しないということになります。
ただし、少しの風でも屋根が壊れるような状態であることをお隣の方が知っていて放置していたような場合は、例外的に瑕疵があったとして、賠償責任が生じることもあるでしょう。
お隣同士のことですので、法的な原則を踏まえつつ、できれば話し合いで解決するのが望ましいかと思います。
アドバイスしてくれたのは
湘南茅ヶ崎法律事務所
弁護士 増井 瑞穂さん
日常の「こんな時どうしたら?」を相談してみませんか。
あなたに代わって、法律のプロにお聞きし掲載します。
ご応募お待ちしております。