自然から教わった大切なこと 人とつながるビーチクリーン

昨年末都内から鎌倉に移住をしてきた表さん。自然を満喫できる場所で生活がしたいと海や山、緑豊かな長谷を選んだ。同時に理念に共感したアウトドアのアパレルメーカーに転職もして準備万端な時、新型コロナウイルスの感染拡大による休業宣言が発令。在宅勤務になってしまった。

仕事の隙間時間、勉強のために見た動画「オーシャンズ」。海の生き物による命の旅を見て、すべての生き物には役割があると感じ、自分にできる役割を果たしたいと強く思った。
翌朝近くの浜辺へ出向き、今の自分に何ができるのかを考えていた時、目の当たりにしたのは打ち上げられた全長20mほどの漁網。
同僚や地元の人たちの協力を得て、10日ほどかかってやっと撤去した表さん。

その出来事をきっかけに、ほぼ毎日同じ時間に同じ行動を続け、たくさんの知人ができたり、鎌倉の昔話を聞いたり。
ビーチクリーンを始めて地域の方との信頼関係を築くことができ、いまの自分の役割として大切な日課に。
「今後も住んでいる環境を守るためビーチクリーンは続け、“隣家にお醤油(しょうゆ)を借りに行ける関係”が当たり前だった世の中にいつか戻ってほしいな」と表さん。移住民であり発展途上な彼女を応援します。

ほぼ毎朝30分ほどのビーチクリーン。地域の人々と顔なじみになり、次第に会話も笑顔も増えてくる時間。えーっ?と思うほどの海ごみの量に、驚くことも


表(おもて) 雅子さん
5年前捨て猫を拾ったのをきっかけに命の尊さを感じ、動物愛護や、環境問題に興味を持つように。自然を感じる長谷に移住して、以前の消費行動が変わり、思考にも変化が。気持ちよく生きることをテーマに、わくわくするセンサーが敏感になったそう