海からのギフトを受け取り思い出を語る時間を大切に

地元藤沢で生まれ育った彼女は、幼少の頃から海が生活の一部だったそう。
「海で母が楽しそうな笑顔で貝殻を拾う姿を見て、私も習慣に。貝殻には不思議な効果があり、巻貝の渦は基本右巻きで、心を落ち着かせたり、安眠効果があるそうです。海からの贈り物ですね」と清水さん。

貝殻は季節や、潮の流れや地形などにより収集できるポイントが変わるそうで、地元の湘南エリアはもちろん、西伊豆や能登半島など全国まで出かけ、貝殻収集にチャレンジ! 以前は釣りしか興味のなかったご主人も、ビーチコーミングに興味を持ち、全国貝殻拾いマップを手作りするほど。先日は雄鹿の角を拾い、感動したそう。

「収集した貝殻は除菌後削り、オイルで磨くなど手入れをしてから、瓶に詰め飾ります。夫婦で晩酌する時に、これはどこで拾った貝殻? から始まり、思い出の記憶をたどり、話題を共有したり。共通の趣味や時間が、結婚20年目の夫婦円満の秘訣(ひけつ)です」と。

コロナ禍で時間の使い方や物事の優先順位に変化がある昨今。大切なものは何だろう?と問いかけたときに、彼女のように夕日の美しさを感じる時間や、ビーチコーミングをする時間を、ぜいたくと思える豊かさを兼ね備えた人でありたいな。

以前沖縄で見つけたシャコ貝を器に、片瀬西浜で見つけたたくさんの桜貝。コロナ禍の不安定な日々の中、貝殻の温かみに惹(ひ)かれます


㈱LINRYU代表 清水貴子さん
生まれも育ちも藤沢で、現在は鵠沼海岸在住。貝殻とチャイムの雑貨店「風凜堂」、カフェ「ラッキーミールマーメイド」、アクセスバーズサロンを経営する清水さん。朝日と共に起き、夕日と共に一日を終える、自然の流れに沿ったシンプルな暮らしが憧れ