大切な人との出会いと別れ 日々自然へのリスペクトを

取材のために初めてスタジオに伺った時、はな子は驚いた。なんだろ?この空間はと。目の前に見える広い海と、大きな窓から入る光と風。開放感いっぱいのこの場所でシャッターを切るmomoさん。

「30歳の誕生日記念にひとり旅でアラスカに行きました。北極圏のビーバー村。そこで出会った現地に暮らす日本人の愛さん。滞在中の2週間で彼女から学んだことがたくさん。中でもオーロラを見たことが大きな感動でし
た」と太陽のような笑顔で話すmomoさん。

現地アラスカでは獲物を狩りに行くときも正装で出かけるそう。人間が生きるために動物の命を奪うので神聖な気持ちで出かけることや、自然と共存すること、向き合うこと、そして最期には自然に還(かえ)ることを彼女から教わった。その教えとオーロラを心に焼き付け帰国した2カ月後、momoさんの元に愛さんの訃報が届いた。不思議と悲しみはなく、きっと彼女は自然に還ったのだと思えたそう。

スタジオの大きな窓から望む海と、季節や時間、天気によって変わる景色。彼女にとってこの場所が初心に戻れる唯一無二の場所。「自然と共に生き、自然に還る!と話した愛さんの顔を今でも身近に感じながら、日々穏やかです」と。その空間をぜひみなさんにも体験してほしいと思うはな子でした。

海が一望できるフォトスタジオ。開放感あるこの場所で被写体を次々と笑顔にしていく。大好きな地元の人たちに、カメラを通して恩返しをしたいそう


フォトグラファー momoさん

茨城県生まれ。10年前移住し現在は茅ヶ崎在住。25歳からフォトスタジオ勤務を経験し、3年前に「海の見えるフォトスタジオmomo camera」を茅ヶ崎サザンビーチ前にオープン。海、空、太陽など自然の声が聞こえるステキな空間。
Instagram⇒@momocamera2020