来迎寺(西御門)は藤沢・遊行寺の末寺で時宗の寺院です。
永仁元年(1293)の創建で、開山は一向(いっこう)上人。本堂には本尊阿弥陀如来坐像と三体の客仏がおまつりされています。
本尊の左脇には鎌倉で最も美しい像といわれる如意輪観世音半跏像。右脇には報恩寺(廃寺)の本尊であったといわれる岩上(がんじょう)地蔵菩薩坐像、その横には、禅寺の浴室にまつられる跋陀婆羅(バツダバラ)尊者像が並んでいます。
本尊の阿弥陀如来坐像
◆鎌倉十三仏霊場第十番札所本尊です
阿弥陀様は全ての人を救ってくれる慈悲の仏です。
本尊の阿弥陀如来坐像は正徳2年(1712)、扇ヶ谷に住む鎌倉仏師三橋薩摩(さつま)の造立とされています。
像高97.3cmの像で上品下生(じょうぼんげしょう)印を結び室町期の作風を残します。鎌倉十三仏霊場第十番札所本尊です。
如意輪観音様のお寺として親しまれています
◆尊像には土紋が施されています
同寺の如意輪観世音半跏像は、寺伝では北条政子の念持仏であったと伝わり、像の胎内には由比長者染屋時忠の娘のものと伝えられる幼児の遺骨が納められています。
像には鎌倉特有の土紋装飾があり、造立されたのは南北朝期といわれています。厄除け、婦人の守り本尊、安産の守護尊として信仰されています。
西御門には廃寺の寺院が多く同寺のみが現存します
西御門(にしみかど)の地名は大蔵幕府の西門があったことに由来します。
この辺りは幕府と鶴岡八幡宮との間にあり、幕府の重臣や高僧が館を構えていました。
廃寺となった寺院も多くあり、尼五山第一位の太平寺、日蓮宗高松寺、臨済宗報恩寺などです。現在、この地に残る寺院は来迎寺だけです。
かん治さん
「鎌倉検定は1級で お酒は2級を飲んでいまして、プレゼントをいただきますと喜んでサンキュウと言っています」がお決まりの自己紹介。
「鎌倉ガイド」としても活躍する湘南通のアマチュア落語家。