10月22日、即位礼正殿(そくいれいせいでん)の儀が執り行われ、令和天皇が即位されました。
このあと毎年11月に行われる新嘗祭(にいなめさい)は、天皇が即位して初めてのため、「大嘗祭」として執り行われます。
穀類の収穫を祝うこの神事。
天皇が神に感謝しつつ収穫物を体に取り入れること。
主役はもちろん米。
日本を象徴する米ですが、最初に栽培されたのはインドの高原地帯とのこと。
そこから九州地方に伝えられ驚くほどの早さで日本中に広まりました。
その理由とは「美味しかった」から。
アワ、ヒエ、キビなどの雑穀に比べてしっとりとした米は、当時の人たちには驚異的だったとか。
当時はウルチ米よりモチ米が主流。
しかも若干赤みがかっていたとのこと。
今でもお祝い事には赤飯を食べることも納得できます。
日本各地で収穫される米。
どこの米を神に供えるのか判断が難しいところ。
亀の甲羅を使った占いで決めています。
甲羅を火で熱しひび割れの状態から場所を特定します。
その名も「斎田点定(さいでんてんてい)の儀」。
甲羅の入手が困難な中、東京都小笠原村のアオウミガメが使われました。
「4年に1度じゃない。一生に一度だ」。
ラクビー・ワールドカップが盛り上がっています。
天皇の即位の年だけに行われる「大嘗祭」は11月14日。
厳かな気持ちで見守りたいですね。
参考図書
食べものはじめて物語、永山久夫、河出文庫
笠岡誠一(かさおか・せいいち)
1967年、広島県生まれ。
文教大学健康栄養学部教授。
管理栄養士。
食品栄養学修士(東京農業大学)。
博士(農学)(愛媛大学)。
山之内製薬(現・アステラス製薬)健康科学研究所研究員、アメリカ国立衛生研究所(NIH)客員研究員を経て現職。専門分野は栄養学、食品化学。レジスタントスターチに早くから注目し、レジスタントスターチを増やした「ハイレジ食」の開発なども行う。小説「きみのハラール、ぼくのハラール」や映画制作「CHO-KATSU」など、多分野で活躍中。