源頼朝が伊豆に流されていた時に「かくれ里の稲荷」が夢枕に立ち挙兵を勧めます。
頼朝=佐殿(すけどの)を助けた稲荷が佐助稲荷神社の名の由来です。
境内には稲荷神のお使いである狐が多く祀(まつ)られています。
他に、狐に助けられた伝説と落語「王子の狐」にお付き合いください。
鎌倉駅から徒 歩約20分
「源十郎と弥十郎の事」
流行り病を救った佐助の大根
江戸時代初期の『金兼藁(きんけんこう)』にある話です。
鎌倉の魚売り・源十郎が、昼に狐を助けると夜に彼の夢枕に狐が現れ源十郎に、佐助ヶ谷で大根を作れと教えます。
そのうちに鎌倉中に悪い病気が流行ります。
特効薬は源十郎の作った大根。
皆が大根を買うので、彼は大金持ちになり、狐へのお礼に稲荷明神を建てます。
金持ちになると彼は慢心して勝手な振る舞いが多くなり公方様から鎌倉を追放に。
お稲荷さんのご加護?
遭難から免れると奇跡が…
船で筑紫国へ行く途中に遭難しそうになったとき、持参の金銀を海に投げ込むと波風は静まり無事に博多に着きます。
その年の大晦日に魚を買うと、魚の腹の中から金銀がでてきました。
源十郎はこのお金を元手に商売を始め名前も弥十郎と変え、公方様に許されて鎌倉に帰ります。
それからは前以上の大商人になり、貧しい人を助け、皆に慕われて、幸せな生涯を送ったということです。
落語「王子の狐」
きつね、たぬきは人を化かすなんてぇことを申しますが、王子稲荷への参詣の帰りに狐が美女に化けるのを見た男。
化かされた振りを決め込み料亭に一緒に入る。
狐が酔いつぶれて寝てしまうと男は先に帰ります。
店の者に起こされた女は、勘定は自分持ちだと聞かされ驚いて逃げます。
男は、狐は執念深いと聞き、王子稲荷の狐穴に行き、子狐がいたので手土産を渡す。
穴に戻った子狐は男が謝りに来たと、男に化かされた母狐に言い手土産を開けると、
子狐「おいしそうな、ぼた餅だ。
おかあさん食べてもいいかい」
母狐「いけません!
馬の糞かも知れないよ…」
かん治さん
「鎌倉検定は1級で
お酒は2級を飲んでいまして、
プレゼントをいただきますと喜んでサンキュウと言っています」
がお決まりの自己紹介。
「鎌倉ガイド」としても活躍する湘南通のアマチュア落語家。