コンビニエンス・ストアのお総菜は便利です。
電子レンジでチンすればすぐ食べられます。
これらは冷蔵品。4℃ほどでの保存です。
家庭の冷蔵庫もほぼ同じ温度。
チルドだと少し低くて1℃ほど。
野菜室は若干高めで6℃ほど。
バナナなど熱帯産の果物は低温に弱いので常温保存が良いでしょう。

冷凍食品だってチンすればすぐ食べられます。
冷凍品は長期保存がメリット。
微生物が働きにくく、腐りにくい状態になる。
ならばっ、てことでゆでたブロッコリーを冷凍したけど、解凍したらシンナリ。
なんて経験ありませんか?
冷凍庫に入れても-18℃まで冷えるのに約10時間。
その半分ほどは-4℃付近で停滞。
この間に氷が膨張し食品の細胞を壊します。
その結果、解凍すると細胞内から液が漏れ出て、シンナリ。
 

販売している冷凍食品は違います。
特殊な冷凍庫で急速に凍結。
-18℃に達するまでわずか2時間。
氷が膨張する前に完全に凍らせます。
解凍後でもフカフカに。

封を開けた冷凍野菜。
使い切らずに冷凍庫に戻すとどうなるか? 
乾燥するんです。
野菜の中の水分が冷凍庫内で蒸発します。
専門用語で「昇華(しょうか)」。
当然ながら、解凍しても食感は悪い。
冷凍中も色の劣化が進むこともあります。

さあ、家の冷凍庫を整理して、冷凍食品を正しくおいしくいただきましょう!

 

 

151223-文教広報誌BP顔写真

笠岡誠一(かさおか・せいいち)

1967年、広島県生まれ。
文教大学健康栄養学部教授。
管理栄養士。
食品栄養学修士(東京農業大学)。
博士(農学)(愛媛大学)。


山之内製薬(現・アステラス製薬)健康科学研究所研究員、アメリカ国立衛生研究所(NIH)客員研究員を経て現職。専門分野は栄養学、食品化学。レジスタントスターチに早くから注目し、レジスタントスターチを増やした「ハイレジ食」の開発なども行う。小説「きみのハラール、ぼくのハラール」や映画制作「CHO-KATSU」など、多分野で活躍中。