フェルラ酸とは?どんな成分なのか
酸化ストレスはアルツハイマー型認知症の発症や進行に深く関与しており、酸化ダメージがアミロイドβの蓄積を促進すると考えられています。そのため、抗酸化作用を持つ成分が、アルツハイマー型認知症の進行を遅らせる可能性があると注目されています。実際に軽度認知症害のある高齢者にフェルラ酸を含むサプリメントを6ヶ月間にわたり摂取してもらったところ、認知機能の低下が緩和されたという研究結果が報告されています。
また、美白、アンチエイジング、老化防止、抗炎症、血管の健康維持、近年では、がんとの関わりについても研究報告があり、幅広い分野での可能性が探られています。
フェルラ酸に期待されるさまざまな働き
1. アルツハイマーとの関連性
アルツハイマー病とは
認知症の約70%を占めるとされるアルツハイマー型認知症は、脳内にアミロイドβタンパク質が蓄積したり、タウタンパク質が異常に凝集することで、脳細胞の損傷や神経伝達物質の減少を引き起こすと考えられています。これらの変化により脳全体が徐々に萎縮し、記憶力や判断力などの認知機能が低下していきます。アルツハイマー病は進行性の神経変性疾患で、主に高齢者に多く見られます。
アルツハイマー改善とフェルラ酸の関連性
アルツハイマー型認知症は、日本国内でも高齢者人口の増加とともに深刻な社会課題となりつつあります。その主な要因として、脳内におけるアミロイドβタンパク質の蓄積や、タウタンパク質の異常なリン酸化による神経細胞の変性が挙げられます。これらの現象は、脳内の炎症や酸化ストレスの亢進と密接に関わっていると考えられています。
・アミロイドβ蓄積へのアプローチ:酸化ストレス軽減の視点から: アミロイドβは、本来は脳内でも生成されるタンパク質ですが、加齢やストレス、代謝異常などにより適切に分解・排出されず、蓄積されることで脳内に「老人斑」と呼ばれる沈着を引き起こします。これが神経細胞の機能障害を誘発し、記憶障害や認知機能低下の一因となります。
フェルラ酸は植物由来のポリフェノール系抗酸化成分であり、体内の酸化ストレスを軽減する働きが示されています。この抗酸化作用が、アミロイドβの産生過程に関わる酸化的変化を抑制する可能性があるとされ、近年では、フェルラ酸を継続的に摂取することで脳内の炎症レベルが低下し、神経細胞の保護に寄与する可能性があるという報告もあります。
・タウタンパク質のリン酸化抑制作用に関する研究: もう一つの重要な要因であるタウタンパク質の異常リン酸化は、神経細胞内で本来構造を安定させる役割を持つタウが、過剰にリン酸化されることで構造異常をきたし、凝集体(神経原線維変化)を形成することが知られています。これはアルツハイマー病の進行に強く関与するとされています。
複数の基礎研究では、フェルラ酸を神経細胞に投与した実験において、タウタンパク質のリン酸化レベルが有意に低下したという結果が報告されており、神経細胞の構造安定性維持にフェルラ酸が関与する可能性が示唆されています。これにより、神経細胞の可塑性やシナプスの維持にポジティブな影響を及ぼす可能性も議論されています。
継続的な摂取と生活習慣の改善を組み合わせることで、未病(発症前段階)での脳機能維持に貢献する可能性が期待されています。
2. フェルラ酸と美容・エイジングケアへの期待
美白・皮膚保護に関する作用
フェルラ酸は、メラニンの生成に関与する酵素「チロシナーゼ」の活性に影響を与えることが報告されており、その点から肌の明るさを保つサポート成分として注目されています。この性質により、紫外線によるシミや色素沈着への対策成分として、スキンケア製品にも活用されています。
また、紫外線を吸収する特性があるため、UVケア成分としても化粧品に配合されることがあり、肌を外的ダメージから守る働きが期待されています。
さらに、抗酸化特性を持つことから、肌のバリア機能やうるおいを保つ働きをサポートする成分としても、化粧水やクリームなどのスキンケア製品に応用されています。
加えて近年では、フェルラ酸を含む食品やサプリメントを摂取することで、体内からの肌コンディションのサポートが期待できるため、"内側と外側"の両面からのアプローチが注目されています。
アトピー・アレルギー・肌荒れに関する作用
肌は、紫外線や乾燥、摩擦、化学物質、あるいはアレルゲンなどの外的刺激や異物の侵入を受けると、その情報が表皮のケラチノサイト(表皮細胞)から免疫細胞に伝達されます。ここでいう「異物」とは、例えば花粉やダニ、ハウスダスト、金属イオン、化粧品に含まれる成分など、本来体内に存在しない外来性の物質を指します。
これらの異物が肌に接触・侵入すると、免疫細胞(マスト細胞や好酸球、樹状細胞など)はそれを「有害」と認識し、一酸化窒素(NO)や炎症メディエーター(ヒスタミン、ロイコトリエン、サイトカインなど)を放出します。これらの物質は、異物を排除するために必要な防御反応ではあるものの、過剰な反応や慢性的な刺激があると、肌そのものにも炎症を引き起こし、赤み、かゆみ、腫れ、乾燥、肌荒れといったトラブルにつながります。
こうした肌トラブルに対して、フェルラ酸は一酸化窒素や炎症メディエーターの過剰な産生を抑制する働きがあることが研究で示されています。特に、抗炎症成分として広く用いられているグリチルリチン酸と比較しても、フェルラ酸の方がより強い阻害活性を示すという報告もあり、今後のスキンケア成分として注目されています。
エイジングケアとの関連性
フェルラ酸は、強い抗酸化性を持つことから、体内で発生する活性酸素に起因する酸化ストレスの軽減に寄与する可能性があるとされています。こうした働きが、エイジングケアの分野でも注目される理由の一つです。
酸化ストレスは、肌のハリや透明感に関わるだけでなく、加齢に伴うさまざまな変化とも関係があるとされ、フェルラ酸は美容ポリフェノールとも言われています。メラニンの生成を抑える作用や紫外線吸収作用などが化粧品用途にも使用されています。
さらに、ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化成分と組み合わせることで、それぞれの働きを補完し合い、肌の健やかさを保つサポートが期待されるケースもあります。
3. フェルラ酸と運動・筋肉サポートへの期待
フェルラ酸は、運動時のパフォーマンス維持や筋肉の健康維持に関連する成分として注目されており、アスリートだけでなく、20〜50代のスポーツ愛好家や高齢者まで、幅広い層から注目を集めています。
3-1. 筋肉の成長と維持に関する研究知見
研究によると、フェルラ酸が筋芽細胞の成熟や筋形成に関与する可能性が示唆されており、これは筋トレなどで損傷を受けた筋肉の回復プロセスにも関連すると考えられています。
一般的に筋肉づくりにはプロテインが重要とされますが、プロテインが「筋肉の材料」であるのに対し、フェルラ酸は「筋肉をつくるプロセスに関与する成分」として研究されています。これにより、たんぱく質の利用効率をサポートする働きが期待されます。
また、筋肉分解に関わるとされる「ユビキチン-プロテアソーム系」の働きに影響を与える可能性も指摘されており、筋肉量の維持という観点からも興味深い成分とされています。
3-2. 抗酸化・抗炎症作用による運動後サポート
フェルラ酸は抗酸化および抗炎症特性を持つことから、運動後の筋肉ダメージ軽減や回復サポートの観点で注目されています。運動によって発生する活性酸素を中和することで、筋肉疲労への対処や運動後のコンディショニングに寄与する可能性があると考えられています。
さらに、フェルラ酸は腸内細菌によって「ジヒドロフェルラ酸」という代謝産物に変化し、この物質が筋肉の代謝バランスを整えることに関与している可能性が報告されています。これにより、継続的な筋肉サポートの相乗効果も期待されています。
3-3. スポーツパフォーマンスに関連した調査結果
フェルラ酸を8週間摂取したトレーニング経験者を対象とした研究では、以下のような変化が見られたと報告されています:
- 除脂肪体重(筋肉量)の増加
- 体脂肪の減少傾向
- 筋力・パフォーマンスの向上
- 回復力の向上
- 運動後の筋肉の違和感軽減
また、長距離ランナーを対象とした研究では、フェルラ酸摂取により「エンドルフィン(快感ホルモン)」の分泌増加が見られたという報告もあり、精神面でのコンディション維持にもつながる可能性が示唆されています。
3-4. 加齢や疾患による筋肉低下との関連
フェルラ酸の持つ抗酸化作用と抗炎症作用は、単に若年層やアスリートのパフォーマンス維持だけでなく、加齢や生活習慣病によって起こる筋肉の衰え(サルコペニア)や機能低下に対しても関心が高まっています。
特に、糖尿病との関連は注目に値します。糖尿病では慢性的な高血糖状態が筋肉細胞に酸化ストレスを与えたり、炎症性サイトカインの分泌を促進したりすることで、筋繊維の萎縮や筋力の低下が起こることが知られています。これが進行すると、筋力低下にとどまらず、転倒や骨折、生活機能の低下を招き、結果としてQOL(生活の質)の著しい低下にもつながりかねません。
こうした中で行われた糖尿病モデルマウスを用いた研究では、フェルラ酸を一定期間摂取させた群において、筋肉の厚みや筋力(握力など)に改善傾向が見られたという報告があります。この効果は、フェルラ酸が持つ抗酸化作用によって細胞内のROS(活性酸素種)を減少させ、筋肉細胞の損傷を防いだことに加え、筋タンパク質の分解を促進する経路(ユビキチン-プロテアソーム系)の抑制が関与している可能性も指摘されています。
高齢者においては、加齢によるホルモン分泌の変化や運動量の低下などが筋肉減少の要因となりますが、フェルラ酸のような機能性成分を日々の食生活に取り入れることで、筋肉を内側から支えるアプローチの一つとなる可能性があります。ただし、効果には個人差があるため、バランスの取れた食事と運動習慣を基本に、栄養面での補完的な役割として活用することが重要です。
3-5. シニア層の身体機能サポートにも期待
フェルラ酸は、骨格筋だけでなく内臓の平滑筋にも好影響を及ぼす可能性があるとされ、とくにシニア層においては、排尿に関わる筋肉の機能や、食事の嚥下に関わる筋肉へのサポート成分としても注目されています。
こうした作用には、フェルラ酸の抗酸化性や、血流・神経伝達への影響が関係していると考えられており、複合的な健康サポートへの可能性が広がっています。
4. フェルラ酸と血管健康への影響
フェルラ酸は、血管の弾力性を保つために役立つ可能性があり、正常な血圧維持に寄与することが示唆されています。さらに、フェルラ酸の抗酸化作用によって、低密度リポタンパク質(いわゆる「悪玉コレステロール」)の酸化を抑制する可能性があり、これが動脈硬化の進行を遅らせる可能性があるとされています。動脈硬化は血管疾患のリスク因子となるため、フェルラ酸の摂取が血管健康のサポートに役立つ可能性が示唆されています。
また、フェルラ酸には、血糖値の上昇を抑える作用やインスリンの働きを助ける可能性があるとする研究もあり、食後の血糖値コントロールに貢献することが期待されています。
※2025年5月7日追記:
2025年4月、日経新聞および学術誌「Journal of Pharmacological Sciences」にて、東邦大学薬学部の研究グループが発表した新たな知見が注目を集めています。報告によると、フェルラ酸には冠動脈(心臓の血管)のけいれん(スパスム)を抑制する働きがあることが、ブタの冠動脈を用いた実験で確認されました。
研究では、フェルラ酸が以下の2つの作用メカニズムを通じて血管の収縮を抑えていることが明らかになりました:
1.L型カルシウムチャネルの抑制により、血管平滑筋へのカルシウム流入を減少させる
2.血管収縮の引き金となるミオシン軽鎖リン酸化反応の抑制
これらの作用により、フェルラ酸は心臓を取り囲む冠動脈の過剰収縮を防ぎ、狭心症や心筋梗塞のリスクを下げる可能性があると示唆されています。
フェルラ酸は米ぬかやコーヒーなどに含まれる天然成分であり、今後は心血管疾患の予防・対策を支える新たな選択肢としての活用も期待されています。
5. フェルラ酸の抗がん作用の可能性
フェルラ酸は、細胞内での突然変異を抑制する働きがあるとされ、がん細胞の増殖に対して抑制的な作用を示す可能性があります。いくつかの研究では、フェルラ酸が特定のがん細胞(例えば、大腸がん、乳がん、子宮頸がんなど)に対して、抗腫瘍効果を示す可能性があることが報告されています。フェルラ酸の抗酸化作用が、DNAの損傷を防ぐことに寄与し、がん化の抑制に役立つと考えられています。
来たるべき高齢者社会に
アクティブなシニアでいるために
高齢者の3人に1人が認知機能低下
2025年時点での認知症患者数は約700万人に達すると推計されており、65歳以上の高齢者の約20%(5人に1人)の割合となります。軽度認知障害(MCI)を含めると、患者数は約1,200万人にのぼり、高齢者の約3人に1人が何らかの認知機能の低下を抱えている可能性があります。
アルツハイマーは発症20年前から始まっている⁉︎
神経難病研究では「異常タンパク質が脳に蓄積しているが、不可逆的な機能低下が起きていない段階」を認知症の未病と定義しています。この時期に介入することで発症予防が可能と考えられており、認知症の約70%を占めるアルツハイマー型認知症は、発症の20年以上前から異常タンパク質の蓄積が始まるとされています。
未病改善による社会貢献
2025年現在、日本の65歳以上の高齢者人口は約3,650万人に達しており、約3.3人に1人が高齢者となっています。高齢化率は引き続き上昇しており、29.5%と過去最高を更新。将来的には、2070年に38.7%(約2.6人に1人が65歳以上)となると予測されています。高齢化率が7%程度で「高齢化社会」とされる中、30%に迫る日本はまさに超高齢社会と言えます。こうした状況下では、健康で社会に貢献する「アクティブシニア」の存在がますます重要になっています。
このような背景の中、アルツハイマー型認知症の未病改善に取り組むことは、あなた自身の健康を守るだけでなく、日本社会全体の持続可能性にとっても意義深いことだと言えるでしょう。
MCIチェックリスト
最近「物忘れが増えたかも…」と感じること、ありませんか?
年齢とともに記憶力は少しずつ変化しますが、「軽度認知障害(MCI)」はその前触れかもしれません。まだ日常生活に大きな支障はないが、ちょっと気になる。そんな時は、まずは簡単なセルフチェックから始めてみましょう。
💡 もしかしてMCI?かんたんセルフチェック10問
チェックの目安:
・0〜2個:今のところ心配は少なそう。これからも脳を元気に保ちましょう!
・3〜5個:少し注意が必要かもしれません。生活習慣や脳のケアを意識してみましょう。
・6個以上:MCIの可能性も。専門医や専門機関への相談をおすすめします。
【専門機関への相談を検討しているあなたに】
対応可能な場所は?
① 認知症疾患医療センター(各種検査、認知症診断、治療方針の決定、かかりつけ医のサポートを実施)
② もの忘れ外来を開設している医療機関
③ かかりつけ医
どこの医療機関に行けばいいのかわからない
自治体の担当課(高齢福祉課など)、地域包括支援センター に相談
いきなり専門機関への受診は気が進まない場合は…?
脳ドックなど脳の検査ができる施設を訪れてみる(結果によって、①、②の機関を紹介してもらえる場合もあります) 。
MCIを防ぐために大切なこと
フェルラ酸は認知機能低下に効果があるという研究結果が出ていますが、一方でその機能を過信しすぎてはいけません。MCIとなる人は栄養不良の方が多いとされているため、必要な栄養素を適切な量でバランスよく食べることが、認知機能の低下を抑えるのに効果的とされています。栄養補助食品の効能を過信しすぎず、日々の食生活に意識を払い、体重を適切に保つことが大切です。
フェルラ酸を多く含む食品一覧
- 米ぬか(玄米)
- 小麦ふすま
- トウモロコシ
- コーヒー(コーヒー酸誘導体として)
- 野菜類(ほうれん草、パセリなど)
- 果物(トマト、オレンジの皮など)
特に玄米は、日本人の食生活に取り入れやすく、日常的にフェルラ酸を摂取できる優秀な食品です。
また、意外な食品としてポップコーンがあり、調理済みのポップコーンには100gあたり313.2mgという非常に高いフェルラ酸含有量が確認されています。こうした背景から、近年ではポップコーン業界でもフェルラ酸の機能性に注目が集まり、健康訴求型の商品展開やプロモーションが活発になりつつあります。
主な食品に含まれるフェルラ酸含有量
フェルラ酸は主に穀類の外皮部分に豊富に含まれ、玄米や全粒粉などの精製度が低い食品ほど含有量が高くなります。そのため、外皮部分である米ぬかや小麦ふすまなどに多く含まれており、そのほかにもトウモロコシや筍などに多く含まれています。
非穀類では豆類(特に大豆・小豆)が最有力源ですが、含有量は小麦ふすま(200mg/100g)の10分の1程度です。野菜類からの摂取は微量であり、実用的な摂取源としては穀類が圧倒的に優位です。
<調理前穀物> (mg/100g)
白米 | 9.4 |
---|---|
玄米 | 41.8 |
胚芽米 | 21.4 |
全粒粉 | 127.2 |
薄力粉 | 4.7 |
中力粉 | 7.0 |
強力粉 | 7.9 |
小麦麦芽 | 137.1 |
強化圧搾大麦 | 34.0 |
強化カット大麦 | 34.8 |
オートミール | 51.8 |
ライ麦粉 | 85.9 |
アワ | 41.8 |
プロソキビ | 28.4 |
たけのこ | 243.6 |
蕎麦粉 | 2.9 |
大豆 | 18.5 |
あずき | 19.7 |
<調理後穀物> (mg/100g)
白米(炊飯後) | 8.5 |
---|---|
麦芽米(炊飯後) | 19.2 |
白パン | 5.6 |
フランスパン | 5.5 |
生うどん | 5.8 |
茹でうどん | 6.7 |
干しうどん | 4.6 |
ひやむぎ | 6.9 |
生中華麺 | 4.3 |
茹で中華麺 | 3.1 |
揚げ中華麺 | 6.2 |
乾燥中華麺 | 4.7 |
生パスタ | 13.3 |
茹でパスタ | 13.6 |
ポップコーン | 313.2 |
コーンフレーク | 13.0 |
そば | 3.1 |
<果物・野菜など> (mg/100g)
オレンジ/ネーブル | 9.0 |
---|---|
ほうれんそう | 9.0 |
アサイー | 8.0 |
レモン | 7.0 |
ブロッコリー | 3.0 |
コーヒー | 2.0 |
梅干し | 2.0 |
食品添加物としてのフェルラ酸
フェルラ酸はその高い抗酸化機能を活かして、酸化防止剤としても使用されており、厚生労働省の食品添加物リストにも登録されています。
食品添加物として利用される場合、フェルラ酸は多くの場合、米ぬかや米胚芽から抽出・精製される天然由来のものが主流です。酸化防止剤として食品の品質保持に広く利用されていおり、安全性や機能性の高さから食品だけでなく化粧品・健康食品分野でも注目されています。
まとめ
フェルラ酸は、認知機能の健康維持をはじめ、美容やエイジングケア、運動サポート、血管の健康維持、さらには生活習慣に関わる体調管理など、さまざまな面で注目されている成分です。玄米やオートミール、全粒粉製品など、日々の食事に自然に取り入れやすい点も魅力といえるでしょう。
ただし、どれほど注目される成分であっても、「これだけで大丈夫」というものではありません。栄養はバランスが大切であり、体質や持病、服用中の薬との関係にも注意が必要です。サプリメントなどでの摂取を考える際には、医師や専門家に相談しながら、ご自身の体に合った形で取り入れることをおすすめします。
私たち「湘南える新聞社」は、地域に根ざしたメディアとして、読者の皆さまが心身ともに健やかに暮らし続けられるための情報発信を大切にしています。フェルラ酸のような成分についても、最新の研究と生活実感をバランスよくお届けすることで、健康意識の向上につながることを願っています。
今後も「知ってよかった」と思える生活情報を、わかりやすく・信頼できる形でお届けしてまいります。
参考文献:
- 国立長寿医療研究センター(2022年11月7日)「リン酸化タウタンパク質が、記憶の形成に重要な神経細胞のシナプスの損傷を反映している」
- 内閣府(2024)『令和6年版 高齢社会白書』第1章第1節および第2節
- 総務省統計局(2024)「統計からみた我が国の高齢者」Topics No.142
- 内閣官房(2023)「認知症および軽度認知障がいの有病率並びに将来推計に関する研究報告書」第2回認知症関係者会議 資料9
- 京都大学学術リポジトリ(2023)『認知症 - 未病で見つけ未病で防ぐ -』ポスター発表資料
- Fancl総合研究所(2018年9月6日)「フェルラ酸を含む食品の効果に関する臨床試験」
- Fancl研究レポート No.21(2021)「フェルラ酸によるタウタンパク質のリン酸化低下作用」
- Paula's Choice「フェルラ酸:化粧品成分の解説」
- 株式会社マツモト産業(2023年7月)「フェルラ酸の抗酸化能力」技術資料 F05-5
- Fusubonブログ「フェルラ酸の基本情報」
- GEMMed(2024)「65歳以上高齢者、2024年は3625万人・総人口の29.3%で過去最高の更新続く」
- 認知症e65サポート「未病改善と共生社会:神奈川県の認知症施策最前線」
- *Biological Bulletin*, Vol. 224, No. 1(2013年1月), University of Chicago Press, pp.18–28
- *Oncology Reports*, Vol. 35, Issue 5(2016年5月), Spandidos Publications, pp.2927–2935
- *Frontiers in Pharmacology*(2022年10月)「フェルラ酸のがん細胞に対する効果」
- *International Journal of Oncology*(2018年7月)「子宮頸がん細胞におけるフェルラ酸の抗がん効果」
- *日本国特許庁*(2001年)JP2001161314A「フェルラ酸塩による運動能力増強剤」
- 早稲田大学 スポーツ科学学術院(2024年12月25日)「ジヒドロフェルラ酸が握力向上および疲労困憊運動による筋タンパク質分解抑制に及ぼす影響」
- 食品安全委員会(2014年)「第295回会合 議事録」
- 厚生労働省(2015)『認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)』
- 厚生労働省(2023)『令和4年度認知症施策の推進について』
- 厚生労働省(2022)『あたまとからだを元気にする MCIハンドブック』
- 内閣府(2024)『令和6年版 高齢社会白書』第1章第1節および第2節
- 総務省統計局(2024)「統計からみた我が国の高齢者」Topics No.142
- 内閣官房(2023)「認知症および軽度認知障がいの有病率並びに将来推計に関する研究報告書」
- 京都大学学術リポジトリ(2023)『認知症 - 未病で見つけ未病で防ぐ -』ポスター資料
- Fancl総合研究所(2018年)「フェルラ酸を含む食品の効果に関する臨床試験」
- Fancl研究レポート No.21(2021)「フェルラ酸によるタウタンパク質のリン酸化低下作用」
- Paula's Choice Japan「フェルラ酸:化粧品成分の解説」
- Paula's Choice Japan「フェルラ酸 | ポーラチョイス公式サイト」
- Detox Japan「フェルラ酸を知る」
- オカヤス株式会社「フェルラ酸」
- 築野食品工業株式会社「フェルラ酸」
- 日本食品科学工学会誌 第45巻 第8号(1998年8月)「穀物のフェルラ酸含量」
- 日本食物繊維研究会誌 第5巻 第2号(2001年)「フェルラ酸の機能性について」
- 日本食品成分データベース(文部科学省)「食品成分データランキング」
- Spandidos Publications, *Oncology Reports*, Vol. 35, No. 5(2016年): “Ferulic acid induces apoptosis in human cervical carcinoma HeLa cells”
- *The Biological Bulletin*, Vol. 224, No.1(2013年), University of Chicago Press: “Natural Antioxidant Ferulic Acid Protects Against Aβ-induced Oxidative Stress in Sea Urchin Embryos”
- 国立長寿医療研究センター(2022年)「タウタンパク質と記憶形成に関するレポート」
- 日本国特許庁(2001)JP2001161314A「フェルラ酸塩による運動能力増強剤」
- 特定保健用食品評価書(2021年)「Healthy A Coffee に関する安全性評価」
- 食品安全委員会(2014年)「第295回会合議事録」
- 早稲田大学スポーツ科学学術院(2024年)「ジヒドロフェルラ酸が筋タンパク質分解抑制に及ぼす影響」
- PJPS(2023年)「フェルラ酸が糖尿病マウスの筋萎縮と握力に及ぼす影響」
- mugi-lab.jp(2024年)「大麦のフェルラ酸は大腸で代謝される」
- PR TIMES(2024年)「米糠由来フェルラ酸の美白成分としての有効性」
- 科研費データベース(2024年度)「フェルラ酸はPAFによる膀胱平滑筋の過活動を改善」
- 食品テスト財団(2022年)「ロコモティブシンドロームに対する蜂産品の予防的効果」
- 久山町研究(九州大学 二宮利治 教授主導)関連発表資料(2023年時点)