【2022年9月24日号〜家計簿コーチングより】

今は勧められるままに生命保険に加入しています。保険は必要なのか、どう選べばよいのか、保険の費用は収入のうち、どのくらいの割合がよいのかなどを教えてください。

藤沢市・Nさん(32歳)
藤沢市・Nさん(32歳)
秋山友美
秋山友美

公的保障でカバーできない
部分を保険で備えましょう

保険は必ずしも必要なものではありません。そのため、収入の中で保険にかける費用の割合は家庭によって異なり、正解はありません。さらに、お子さんが生まれる、家を買う、自動車を買うなどライフスタイルの変化に合わせて必要な保険も変わってきます。結婚を前に、二人で生活をしていく上で何が不安なのか、どのようなリスクに備えたいのかを話し合ってみましょう。次の順で考えていきます。

①保障が必要なリスクの洗い出し→②公的な保障を確認→③貯蓄で備えられるかを確認→④具体的に保険を検討

例えば、病気になった時の治療費や働けなくなった時の保障が必要だと思った場合、まずは加入している健康保険組合の保障内容を確認してください。健康保険には、医療費が高額になった時の保障(高額療養費)、病気やケガで会社を休んだ時の保障(傷病手当金)などがあります。加入している健保によっては「付加給付」という健保独自に行っている制度があります。高額な治療費がかかったとしても1カ月の自己負担額が2万円というような組合もあります。その上で、不足している額や公的な保障では備えられない部分(入院中の食費や差額ベッド代など)を貯蓄でまかなうことができないか確認します。公的な保障と貯蓄があれば保険は不要です。

ただ、お子さんを望んでいるのであれば、奥さまは医療保険を検討してもよいでしょう。切迫早産などにより長期の入院が必要になるケースもありますし、出産後に働き方が変わる(健保が変わる)可能性もあるからです。出産前後のみに備える妊婦さん専用保険もあります。

死亡保険に関しては、葬儀費用などの死亡整理に必要なお金と、残された遺族の生活を保障するために加入します。こちらも亡くなった時に会社から支払われる死亡退職金や遺族厚生年金を確認した上で、保険が必要なのかをお互いに話し合ってみましょう。

最後に保険の見直しをする場合は、各社の保険の扱いがある保険代理店に見積もりを出してもらい、保障内容と保険料の比較をして検討するとよいですね。


秋山 友美

・ファイナンシャル・プランナー
・「家計コーチ」代表
・CFP(R)(一財)生涯学習開発財団認定コーチ
藤沢市に開設した「湘南おかねの相談室」を拠点にFP相談・家計診断・パーソナルコーチなどを行い、ライフプラン・住宅取得・資産運用などの講師としても活動中。


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