【2025年9月13日号~家計簿コーチングより】

デジタル遺品の整理について教えてください。
スマホやパソコン、ネットのことはよく分からないけど、もしものときに家族が困らないか心配です。

藤沢市・Sさん(76歳)
藤沢市・Sさん(76歳)
秋山友美
秋山友美

デジタル遺品は大切な資産です。
リストの作成から始めましょう

デジタル機器やネットサービスの管理は、特に高齢者には難しく感じられるかもしれませんが、今や「デジタル遺品」は終活の大切な一部。
しっかり準備しておけば、家族の負担を大きく減らせます。

まずは、携帯電話やパソコンのパスワード管理から始めましょう。
本人しか知らないパスワードが多いため、残された家族が大切な情報にアクセスできないことがあります。
そこで、信頼できる家族や親しい方にパスワードやアカウントをまとめた「デジタル遺品リスト」を作っておくことをお勧めします。
専用アプリなどもありますが、書面に残すのが分かりやすいでしょう。

デジタル遺品の種類と主な内容例をまとめましたので、ご自身の持つ情報がどこにあるか、この機会に一度確認してみてください。

デジタル遺品の種類と主な例
●オンラインデータ
・SNSアカウント(Facebook、Instagramなど)・故人のブログやwebサイト・ネット銀行・証券口座・クラウドサービス(Googleドライブ等)に保存したデータ・その他webサービスのアカウント
●オフラインデータ
・文書ファイル(Word、Excelなど)・ブラウザの閲覧履歴やブックマーク・ダウンロードしたアプリケーション・PCやスマホ内に保存された写真や動画

ネット銀行口座や証券口座、暗号資産口座などのオンラインの資産は「デジタル遺産」と呼ばれます。
電子マネーの残高やポイント、マイレージも含まれます。
放置すると遺族の負担やトラブルの元になることもあるので、こちらも一覧表で整理をし、利用していない口座などは早めに解約手続きをしましょう。
最近はパスワードの解析やデータの削除、オンラインサービスの停止などを代行する業者も増えており、これを利用するのも選択肢の一つ。
ただし、業者の信頼性や費用、対応範囲は事前にしっかり確認しましょう。

デジタル遺品は単なるデータではなく、個人のプライバシーや財産に関わる大切な資産です。
ご自身とご家族の安心のために、できるだけ早く準備を始めることが肝心です。

秋山 友美

・ファイナンシャル・プランナー
・「家計コーチ」代表
・CFP(R)(一財)生涯学習開発財団認定コーチ
藤沢市に開設した「湘南おかねの相談室」を拠点にFP相談・家計診断・パーソナルコーチなどを行い、ライフプラン・住宅取得・資産運用などの講師としても活動中。


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