「えのすい」が教えてくれる
相模湾の食べられる魚のお話
江の島でイソメを餌に釣りをすると、どんな季節でもほぼ必ず釣れる魚、それが「ヒイラ ギ」です。
えのすいでは、入口すぐの「出会い の海」で展示しています。
本種は小さく、薄く、鰭(ひれ)に棘(と げ)があり、体表から大量の粘液を分泌するという「捌(さば)き づらい魚」のおよそ全ての条件を満たしています。
しかし、私はこの魚をみなさまにぜひ「刺身」で食べて欲しいです。
どんなに 美しく捌いても、1尾からとれる刺身は表と裏の2枚だけ。
恐ろ しくコスパの低い調理法ですが、それを乗り越えた先には、ヒ イラギでしか味わうことのできない最高の刺身が待っています。
身は透き通った白身で、適度な歯ごたえがあり、意外としっ かり味がついています。捌くのが大変なので、釣り過ぎるとい つも少し後悔しますが、食べるとあまりのおいしさに「これだ からやめられないんだよなー」と唸(うな)ってしまいます。
(新江ノ島水族館 えのすいトリーター 山本 岳)
新江ノ島水族館
TEL 0466-29-9960
藤沢市片瀬海岸2-19-1
https://www.enosui.com/
営業時間や内容についてはホームページで確認を