漢字で書くと松笠魚。松ぼっくりのような形をしたこの魚、下顎の先に発光器を持ち、薄暗い場所を好むことから、相模湾大水槽のすみっこで暮らしています。どんな味か気になっていたところ、江の島の漁師さんにいただいたので試食することに。
皮膚は硬く、背びれと腹びれがトゲ状になっています。このいかついトゲを折る時に、なんと相棒の包丁が欠けました！ 大変な思いでさばいた割に、得られたのは一口サイズのきれいな白身が二枚と、魚のサイズと比較して大きく発達した肝だけ。とても労力に見合わない可食部の量にがっかりでしたが、気を取り直していざ実食。
湯通しした肝をしょうゆに溶かして刺身で食べたところ、歯ごたえがすごい！ 癖の無い身は、甘みが凝縮された肝と相性抜群。直感的に冷蔵庫で数日寝かせれば、身が柔らかくうまみがもっと増しそうなので、次回試そうと思います。
（新江ノ島水族館 えのすいトリーター 山本 岳）
新江ノ島水族館
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