本覚寺の境内の鐘楼には十二支がいて、今年の干支(えと)・ウシの彫り物を見つけました(写真・右下)。

ここの釣り鐘は、開山の日出上人が木更津八幡宮寺(上総の国)の僧との法論で勝利し八幡宮側は釣り鐘を差し出します。
とても持ち帰ることはできないだろうと思っていたようです。

その際に、日出の弟子で強力(ごうりき)で知られた石渡新造左衛門が担いで運んで来たという伝説が残されています(伝説の釣り鐘は庫裏に保管されています)。

本覚寺の鐘楼にあるウシの彫り物
本覚寺の鐘楼にある、ウシの彫り物

 

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蕨手が随所に見られます

蕨手は早蕨のような先端が巻きこんだ形のこと
線香立ての屋根の先端の蕨手
線香立ての屋根の先端にも蕨手があります

本堂と灯籠の蕨手
本堂と灯籠の蕨手

早蕨(さわらび)とは芽を出したばかりのワラビのことで、蕨手(わらびで)は刀の柄(つか)や高欄、神輿(みこし)の屋根、日本家具の引き手の部分などに用いられています。
本覚寺境内にも随所に見られます。
本堂の欄間や灯籠、線香立て、手水舎(ちょうずや)などです。
建築物等に勢いをもたらしているようです。

 

手水舎の四神の彫り物

同寺の手水舎には四神が彫られています
境内の手水舎
境内の手水舎

四神(しじん)とは、四方の神のことです。
東は青龍・南は朱雀・西は白虎・北は玄武のことで、四神相応の地が貴いとされています。
東には流水が、西には大道、南には汙地(くぼち)、北には丘陵がある地が官位・福禄・無病・長寿を併有する地相とされています。

また、四季を表し、日常で使う言葉に「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」がありますね。

 

落語「手水廻し」

上方の商人が田舎の宿に泊まり、朝、宿の者に

「手水を回してくれ」(朝に顔を洗うこと)

と頼みます。
しかし、宿の者は誰も「手水を回す」の意味が分からない。
そこで物知りを自認しているお寺の和尚さんに聞いてみると、和尚さんは「手水」が分からないので

「ちょうずとは、長い頭のことで“長頭”」

だと無責任な返答をして、ひと騒動するお話です。

 

 

かん治さん

「鎌倉検定は1級で
 お酒は2級を飲んでいまして、
 プレゼントをいただきますと喜んでサンキュウと言っています」
がお決まりの自己紹介。
「鎌倉ガイド」としても活躍する湘南通のアマチュア落語家。