鎌倉大仏(長谷)の裏にひっそりと建つ「観月堂」は15世紀中頃に漢陽(現ソウル)の朝鮮王宮内にあったお月見を楽しむための建物のようです。
いつの頃からか東京目黒に移り、大正13年(1924)に高徳院に移築・寄贈の建物です。
堂内に鎌倉三十三観音霊場23番札所の観音菩薩立像が安置されています。
大仏造立700年記念に与謝野晶子の歌碑
◆味の素(株)が昭和27年(1952)に建てました
観月堂の隣には与謝野晶子の歌碑「かまくらや みほとけなれど 釈迦牟尼は 美男におはす 夏木立かな」が立っています。
これは、昭和27年(1952)4月に味の素(株)により大仏造立700年記念に建てられました。
大仏は釈迦牟尼ではなく阿弥陀如来ですが、日本を代表する歌人の歌は味わいを感じます。
“藁(わら)草履”は茨城県の小学生による奉納
◆大仏に向かって右側の壁に飾られています
壁に飾られている藁草履は茨城県の小学生が奉納したもので、長さ1.8m、幅0.9m、重量は45kgにも及びます。
この制作・奉納は、戦後間もない昭和26年(1951)に「藁草履を履いて大仏様に日本中を行脚し人々を幸せにしてほしい」という願いから始まります。
その後は3年に一度、秋の豊作の感謝を込めて制作し奉納寄進を続けています。
大仏のお顔は拝観する場所で違って見えます
大仏のお顔は拝む場所によって違います。境内に入って中門の前では伏目顔に見えます。
前に進んで広場の中央では薄目を開けています。さらに石段を上って大仏の目と自分の目が合う所では、大仏は目を開き優しいお顔で話しかけてくれるように見えます。
大仏様は参拝者の心に寄り添ってくれているようです。
かん治さん
「鎌倉検定は1級で お酒は2級を飲んでいまして、プレゼントをいただきますと喜んでサンキュウと言っています」がお決まりの自己紹介。
「鎌倉ガイド」としても活躍する湘南通のアマチュア落語家。