江の島(藤沢市)への橋(現江の島弁天橋)は、明治24年(1891)に木製の桟橋が架けられました。
それまでは干潮時は歩き、満潮時は渡し舟か人足が背負い、江の島に渡っていました。先日の5月10日、干潮時に“海の道”を歩きました。10:00ごろから西浜・東浜からの小波が徐々に引いて、正午ごろには完全に陸続きになりました。
この地形を陸繋砂州(りくけいさす)といいイタリア語でトンボロと呼びます。
江島明神のお告げがあり陸続きに…
◆大海が急に道路に変わりました
『吾妻鏡』建保4年(1216)正月15日条に江島明神のお告げで大海がたちまちにして道路に変じたと記されています。
参詣の人は舟に乗る手間がなく、僧や庶民が群れを成して渡っています。
幕府有力御家人の三浦義村は源実朝の使者として江の島に行き、鎌倉に帰ってその霊験あらたかな様子を報告しています。
徳川家康も徒歩で江の島に渡っています
◆浮世絵にも庶民の江の島渡御の様子が描かれています
家康は慶長5年(1600)6月29日に江の島に来島。前日に藤沢に泊まり、鎌倉へ向かう途中で海が干潮時だったので乗り物を降りトンボロを歩いて江の島岩窟へ入り弁財天に参詣。浮世絵にも庶民の江の島渡御の様子が描かれています。
トンボロを歩いてみよう!
潮位がおよそ20㎝より低くなると現れるトンボロ。藤沢市観光協会では、江の島北緑地広場(藤沢市江の島1-1)近くに、日時限定で仮階段を設置しています。
■6月の仮階段(予定・雨天中止)
6/9(日)10:00ごろ~14:00ごろ
6/22(土)9:30ごろ~14:00ごろ
※トンボロが現れない場合や悪天候で中止もあり。詳細は同協会HPへ
かん治さん
「鎌倉検定は1級で お酒は2級を飲んでいまして、プレゼントをいただきますと喜んでサンキュウと言っています」がお決まりの自己紹介。
「鎌倉ガイド」としても活躍する湘南通のアマチュア落語家。