宝亀山長寿寺(山ノ内)は臨済宗建長寺塔頭寺院です。建武3年(1336)に足利尊氏が邸跡に創建し諸山第一位の列に定めました。
尊氏は延文3年(1358)に54歳で京都において没すると、父の菩提(ぼだい)を弔うために初代鎌倉公方の足利基氏によって七堂伽藍を備えた堂宇が建立されました。
尊氏の法名は京都では等持院殿。関東では長寿寺殿で、寺名はその法名が由来です。
本堂には本尊の釈迦如来坐像、室町期の彫刻像で開山・木造古先印元坐像、衣冠束帯姿の木造足利尊氏坐像が安置されています。
境内には美しい観音堂があります
◆観音堂内には聖観音立像が祀(まつ)られています
境内には美しい観音堂があり、聖観音立像が祀られています。本堂が再建されるまで観音堂を本堂としていました。
この建物は奈良・円成寺の多宝塔を大正時代に移築し改造したものです。
境内裏の丘上に足利尊氏の墓があります
◆尊氏の墓には遺髪を納めていると伝わります
境内裏山の小高い丘には、尊氏の遺髪を納めたと伝わる五輪塔(墓)があります。
長寿寺の境内は11月下旬から12月初旬に見事な紅葉が楽しめます。毎年春と秋の季節・曜日限定で公開されています(雨天中止)。
長寿寺の南側の道は亀ヶ谷坂です
長寿寺脇の亀ヶ谷坂は“鎌倉七切通”の一つで扇ガ谷へ通じています。
建長寺の池に棲(す)む亀が、たまには鎌倉のにぎやかな所へ行ってみたいと、この坂を歩いて行ったのですが、急な坂なので途中でひっくり返ったため、“亀返り坂”が“亀ヶ谷坂”と呼ばれるようになったと伝わります。
かん治さん
「鎌倉検定は1級で お酒は2級を飲んでいまして、プレゼントをいただきますと喜んでサンキュウと言っています」がお決まりの自己紹介。
「鎌倉ガイド」としても活躍する湘南通のアマチュア落語家。