一年間で最も昼間が短い日。
それが冬至。
この日を境に昼間が長くなりますが、寒さは本番に。
健康管理に大事な食事。
「ん」のつく食品が良いと言われています。
カボチャ(南瓜=なんきん)、にんじん、れんこん、ぎんなん、きんかん、かんてん、うどん。
冬至の七草とも呼ばれています。
なかでも2つの「ん」を持つ「なんきん」は代表格。
 

夏に収穫したあとの長期保存に耐えうるカボチャは、野菜不足になりがちな冬場に重宝されたのです。
ビタミンAの元になるカロテンや、エネルギーになる炭水化物も含んだ栄養豊富な食品です。
 

カンボジアから渡ってきたので「カボチャ」になったとか。
現在の主流は3種類。
日本カボチャ、西洋カボチャ、ペポカボチャ。
英語で言えば、全てがスクウォッシュ(squash)。
ペポカボチャの一種ズッキーニは英語でサマー・スクウォッシュ。
オレンジ色の果皮を持つサマー・スクウォッシュに限って「パンプキン」と呼んでいます。
 

パンプキンと言えば「ハロウィン」。
ヨーロッパ中央部に住んでいたケルト人の暦での大晦日(みそか)が10月31日。その年の収穫を祝い、祖先に感謝する日だったそうです。
先祖の精霊の、あの世とこの世の道案内のためパンプキンに光を灯(とも)したとのこと。
日本のお盆に似ています。
祖先を思う気持ちは世界共通なのですね。
   

151223-文教広報誌BP顔写真

笠岡誠一(かさおか・せいいち)

1967年、広島県生まれ。
文教大学健康栄養学部教授。
管理栄養士。
食品栄養学修士(東京農業大学)。
博士(農学)(愛媛大学)。

山之内製薬(現・アステラス製薬)健康科学研究所研究員、アメリカ国立衛生研究所(NIH)客員研究員を経て現職。専門分野は栄養学、食品化学。レジスタントスターチに早くから注目し、レジスタントスターチを増やした「ハイレジ食」の開発なども行う。小説「きみのハラール、ぼくのハラール」や映画制作「CHO-KATSU」など、多分野で活躍中。