『太平記』には北条時政が江の島に参籠して子孫繁栄を祈ると美女が現れて繁栄を約束。
女は龍となって海中に入っていき、龍が通った跡には大きな鱗が3枚残っていたとあります。
そのことがあって時政は「三鱗(みつうろこ)」を北条氏の家紋とします。
今回は湘南の「龍伝説」の地を訪ねました。
五頭龍と天女(弁天様)の伝説
『江島縁起』から
大昔、鎌倉の津の湖に五頭龍(ごずりゅう)が住んでいました。
龍は山崩れや洪水を起こし、病気をはやらせ、村の子供を生贄(いけにえ)にし、村人を苦しめていました。
欽明13年(552)天地が震動して、雲の上に天女が、海面には江島が現われました。
龍は天女の美しさに惚(ほ)れてプロポーズ。
天女は「私は人々を幸福にするのが使命だが、あなたは人々を降伏させているので、あなたとは結婚できません」。
龍は「これからは人々を降伏させずに幸福にするから」と約束。
めでたく龍は天女と結婚し、その後は悪業をやめ、人々を幸福にしました。
新田義貞の龍神への祈り
稲村ヶ崎
新田義貞は倒幕のため、大軍を率いて鎌倉に迫りますが、稲村ヶ崎の海岸沿いに突破するのは至難のわざでした。
そこで義貞は黄金造りの太刀を抜いて海中に投じて、龍神に祈ります。
すると二十余町も海水が干上がり、軍勢はなだれをうったように干潟(ひがた)を渡り鎌倉へ攻め入ります。
落語「夕立屋」
夕立屋「夕立はいかがでござい!」
と売り声が街に響きます。
ある店の旦那「面白い商売だ、ちょいと降らしてもらいましょう」。
夕立を降らす範囲も量もお好み通りと言うので、
旦那「近所に迷惑をかけてもいけないので自分の店だけで通り雨を頼む」
と言うと、空がにわかにかき曇り、ポツッ…、ポツッ、ザーーッという雨、しかも旦那の店だけ降り驚きます。
雨が上がると、
旦那「お前さんは何者だい?」
夕立屋「実は天に住む龍でございます」
旦那「龍かい?
涼しさを与えて喜ばれるが、これは夏の商売だね。
冬は休業かい?」
夕立屋「いいえ。
冬は私の倅(せがれ)の子龍(こたつ=炬燵)が商いをいたします」
かん治さん
「鎌倉検定は1級で
お酒は2級を飲んでいまして、
プレゼントをいただきますと喜んでサンキュウと言っています」
がお決まりの自己紹介。
「鎌倉ガイド」としても活躍する湘南通のアマチュア落語家。